2014年6月5日(木)
戦闘地域での「後方支援」が丸ごと可能に
BS収録で志位委員長
日本共産党の志位和夫委員長は4日、BS11番組(7日放映予定)の収録で、政府が3日に集団的自衛権行使に関する与党協議で示した他国部隊への「後方支援」を可能とする「4条件」について、自衛隊による戦闘地域での「後方支援」を丸ごと可能にするものだと指摘。「正体が見えてきました。絶対に許してはなりません」と主張しました。
志位氏は、政府が提示した「4条件」―(1)現に戦闘行為を行っている他国軍隊への支援(2)戦闘行為に直接使用する物品、役務の提供(3)他国部隊の戦闘現場での支援(4)戦闘行為と密接な関係―について、この全てを満たした場合にだけ「後方支援」を「不可」としているだけであり、「逆に言うと、この4項目の一つ一つは全てできることになります」とズバリ。「他国軍支援のために戦闘地域に入った自衛隊員が相手から攻撃されたら、応戦し、戦闘になり、結局、武力の行使をやることになります。『日本が再び戦争する国になるというのは誤解だ』などという首相の弁明は、まったくのウソだということが明らかになりました」とのべました。
志位氏は、アフガン戦争に参加した北大西洋条約機構(NATO)軍の各国軍も、集団的自衛権の行使として、最初に決めた8項目の支援内容は、すべて兵(へい)站(たん)支援―「後方支援」だったと指摘。それでも実際には戦場で活動して相手から攻撃され、21カ国で1000人以上の死者が出てきた実態を明らかにしました。
その上で、5月28日の衆院予算委員会での志位氏の追及に安倍首相が、「戦闘地域に行ってはならない」という歯止めを残すといわないばかりか、自衛隊の活動を拡大する方向で「検討する」とのべたこと、それが今回の政府の「4条件」という形で具体化されつつあることを指摘。「まずは自衛隊を戦闘地域まで送って兵站活動―『後方支援』を丸ごと行うところまで(憲法に)穴をあけてしまい、その次には戦闘活動を目的とした戦闘部隊を送っていくことを狙っている」と告発しました。
志位氏は「憲法9条は自衛隊員の命も守ってきました。アメリカの戦争のために日本の若者の血を流せというのは、絶対に許すわけにいきません」と述べ、安倍首相の解釈改憲の狙いを厳しく批判しました。