2014年5月30日(金)
「不当な支配」排除こそ必要
参院文教科学委 教育委改悪に参考人
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29日の参院文教科学委員会参考人質疑で、教育委員会制度の改悪法案への疑問や問題点を指摘する声が相次ぎました。
日本教育政策学会の三上昭彦会長は、政治などの「不当な支配」から教育の自主性を保障するために教育委員会があることを強調し「この理念を具体化する方向の改革こそ必要だ」と述べました。
東京大学大学院の村上祐介准教授は、「日本は非常に首長の権限が強い。弊害は教育行政に限らずさまざま表れている」と語り、首長が決定する「大綱」(教育施策の方針)について、教育委員会の承認を要件とするなど、運用の改善が必要だとのべました。
元千葉県教育委員会委員長の天笠茂氏は、教育委員長をなくすことは問題だとのべ、新教育長に対するチェックをどうやって確保していくのかが課題だと指摘。横浜市教育委員会委員長の今田忠彦氏も、役割が増す新教育長について「今の教育長でも多忙で大変だ」とのべ、首長と教育委員会が協議する総合教育会議が機能を果たせるのかと危惧を表明しました。
日本共産党の田村智子議員は、教育委員会の形骸化が指摘される要因について質問。三上氏は、教育委員公選制廃止をあげ、「教育の自主性確保」などを原則にした教育委員会の発展を抑えてきたと指摘しました。
田村氏はまた「首長の権限強化でどのような問題がおこるのか」と質問。村上氏は、学校統廃合や教科書採択で首長介入の危険性があると述べました。