2014年5月27日(火)
司法修習生 貸与制は若手しばる鎖
東京地裁・給費廃止違憲訴訟 原告訴え
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司法修習中の生活費を支給する「給費制」を国が廃止したことは憲法違反だとして、元修習生らが国を相手どり損害賠償を求めた裁判の第3回口頭弁論が26日、東京地裁(平田豊裁判長)で行われました。
今回から裁判長が交代したことから、原告でもある和田卓也弁護士が、これまでの裁判について陳述しました。給費制廃止後の新65期の司法修習を送った和田弁護士は「(国が修習生にお金を貸す)貸与制の返済誓約書を書いた時、約300万円という金額に背筋が寒くなった」とのべ、「返済のために1円でも多く稼がねばと強迫観念にかられた。貸与制は若手弁護士をしばる見えない鎖だ」と訴えました。
この裁判で、国側は「給費制を廃止しても憲法上の問題は生じない」と主張しています。この主張に対して、全国弁護団の種田和敏事務局長は「人権擁護を柱とする日本国憲法施行と同時に給費制を導入した経緯から見ても、憲法の要請があることは明らか」と指摘。司法権が独立しておらず、弁護士が裁判官と検察官より下に置かれ、司法が国民の人権抑圧を防げなかった戦前の司法制度にふれながら反論しました。
裁判後、原告らはシンポジウムを開催。弁護団の宇都宮健児共同代表や宮里民平原告団長、橋本祐樹弁護士が報告し、「困った人を助けるのが私たちの役割」(橋本弁護士)とのべ、法律家をめざす大学生らに、働きがいを語りました。