2014年5月27日(火)
元情報保全室長尋問を
仙台高裁 国民監視訴訟で原告
自衛隊による国民監視の差し止めを市民らが求める訴訟の控訴審の第8回口頭弁論が26日、仙台高等裁判所で開かれ、原告弁護団が、情報保全隊に国民監視を命じた陸上幕僚監部運用支援・情報部情報課の元情報保全室長の証人尋問を求めました。
口頭弁論では、左陪席裁判官の交代による弁論の更新が行われました。後藤東陽原告団長が「公正な判断で、監視の停止を命じてほしい」と訴え、原告代理人の千葉晃平、甫守(ほもり)一樹両弁護士がこれまでの裁判の経過などを詳しく説明。十河(そごう)弘弁護士が、本件訴訟の意義を強調しました。
自衛隊が国民の監視・弾圧をする一方、国は、憲法解釈の変更による集団的自衛権行使容認など、憲法無視、憲法違反を強行する暴走をしていると指摘。「政治が暴走の動きを見せるいま、『憲法の番人』『人権擁護の担い手』として、裁判所が力を発揮してほしい」と求めました。
小野寺義象(よしかた)弁護士は、元情報保全隊長の鈴木健氏が「情報収集の必要性は、運用支援・情報部から示された」などと証言し、情報保全室の指示で情報収集が実施されたことが明らかになったことを強調。「国民監視の実態解明には、監視を命令した情報保全室長の証人尋問が必要だ」と求めました。
口頭弁論後、同訴訟を「支援するみやぎの会」が報告集会を開催し約60人が参加しました。集会では「『戦争する国』に変わっていくことに歯止めをかける意義のある訴訟」などの発言が相次ぎました。