2014年5月21日(水)
集団的自衛権行使容認・経済対策
BS11番組 小池副委員長が出演
日本共産党の小池晃副委員長は19日放送のBS11番組「報道ライブ21 INsideOUT」に出演し、集団的自衛権行使容認や経済対策について、露木茂キャスター、黒塚まやアナウンサー、二木啓孝・BS11解説委員の質問に答えました。
原発事故
政府にマンガの攻撃資格はなし
冒頭、露木氏は小池氏が内科医と紹介し、原発事故後の福島を描いたマンガ『美味しんぼ』の表現が風評被害を招くなどと批判を受けているニュースをどう見るかと質問。小池氏は、当時の民主党政権が“直ちに健康に影響を及ぼすものではない″と繰り返したことを思い出すと述べ、原発事故による長期間の低線量被ばくという事態は経験がなく、「政治の側は何が起こるかわからないという立場で臨むべきだ」と指摘しました。
小池氏は「政府がやるべきことは福島の住民の不安の声に向き合うことであり、原発事故収束に全力をあげるのが責任。それなのに、原発の再稼働を進めようとしている。これが最大の不安をあおっているわけで、そんな政府にマンガを攻撃する資格はない」と語りました。
集団的自衛権
海外で武力行使 解釈で範囲拡大
番組は、「憲法破壊、海外で戦争する国への暴走を許すなと、いち早く表明した日本共産党」と紹介。小池氏は、安倍晋三首相が検討を指示した集団的自衛権行使容認について、「日本が攻撃されていないのに海外で武力行使するという解釈変更で範囲はどんどん拡大する」と述べ、自民党の石破茂幹事長は将来の多国籍軍参加を口にするなど、すでに拡大解釈が始まっていることを否定していないことを指摘しました。
安倍首相の会見後の世論調査で集団的自衛権行使「反対」、解釈改憲「反対」がいずれも過半数に上ったことをどうみるか。
小池氏は「首相会見を受けた後で『反対』が上回っているのは注目すべきこと。多くの国民が、戦争する国に向かっているのではないかという不安を抱いている」と述べ、憲法9条改定反対の世論が急増していることを紹介。「なんでも軍事で対応するのではなく、外交力を発揮して平和的な安全保障を実現するべきだ」と強調しました。
二木氏は、西沙諸島での中国とベトナムの衝突や尖閣問題をあげ、「だから集団的自衛権とはいわないが、どちらかというと相手が前に出てきているのでは」と表明しました。
これに対し小池氏は、尖閣について「領土問題は存在しない」と徹底議論を避けてきた日本政府の態度を批判。「一番大事なのは外交的な解決をはかること。日中首脳会談すらやれない状況を解決するために、侵略戦争への反省を明確にするべきだ」と強調しました。
消費税増税10%
中小企業に増税 ゆがみがひどく
8%に続き、税率10%への消費税増税が予定されていることがテーマになりました。
小池氏は「景気動向を見ると中小企業の経営に深刻な数字が出ている。消費税を10%に上げれば日本経済はさらに壊滅的なことになる」と警鐘を鳴らし、270兆円にのぼる大企業の内部留保の一部を活用した賃上げこそ必要と主張しました。税制問題をめぐって「政府は黒字の大企業には減税し、赤字の中小企業には増税しようとしている。これをやればますます日本経済のゆがみがひどくなる」と税制の見直しを求めました。
共産党躍進
保守の人たちと新しい共同関係
参院選での共産党躍進に言及した二木氏は、「共産党は原則性の高いところに柔軟性がのっかれば幅が広がると思うが」と問いかけました。
小池氏は「原則がしっかりしているからいろんなことに柔軟に対応しています」と述べ、集団的自衛権・解釈改憲問題で自民党元幹事長などが次々「赤旗」に登場していることを紹介。「保守といわれる人たちとの間に新しい共同の関係が生まれてくると予感しています。そういう共闘を広げようと力を入れています」と語りました。
最後に露木氏が「こうしてじっくりお話をうかがうチャンスはなかなかない。きょうはすごくよくわかりました」と感想を語りました。