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2014年5月18日(日)

きょうの潮流

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 観客動員数961万人。当時の国民の10人に1人が見たそうです。1954年11月3日に封切りされた「ゴジラ」第1作。その作品が最新技術で甦(よみがえ)り、来月7日、60年ぶりに公開されます▼試写を見て、作品の持つ社会性に目をみはりました。度重なる水爆実験で目を覚まし、巨大化したゴジラが、安住の地を追われて日本に上陸します。水爆の恐怖。科学者の守るべき倫理とは―。ラブストーリーでありながら、重いテーマを投げかけます▼「ゴジラ」は54年3月、ビキニ環礁におけるアメリカの水爆実験で「死の灰」を浴びた第五福竜丸事件を機に生まれました。船が白熱光線に包まれる冒頭シーンは、思わず息をのみます。企画した田中友幸プロデューサーは、「人類が自ら作ったもののために報復を受けるという、完全なメッセージ映画」だったと語っています(山口理著『ゴジラ誕生物語』)▼国民レベルでは、東京・杉並区から始まった原水爆の禁止を求める署名運動が全国的な広がりを見せます。翌55年、初めての原水爆禁止世界大会が広島で開催されました▼一方、アイゼンハワー米大統領が「原子力の平和利用」を唱えたのは53年末。あろうことか、日本で宣伝のターゲットにされたのは、被爆地広島でした。54年、初の原子力関連予算が組まれます。「ゴジラ」がつくられた年です▼この夏、ハリウッド版「GODZILLA」が公開されます。新作では原発を問いかけるようです。「ゴジラ」の反核の原点は生かされるか。


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