2014年5月14日(水)
加害企業免罪に抗議
会社法改定案 水俣被害者、切々訴え
参院法務委で仁比氏が質問
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水俣病の被害者団体「水俣病不知火患者会」(会員約7200人)の大石利生会長は13日、参院法務委員会に参考人として出席し、加害企業チッソの免罪と問題の幕引きを図る会社法改定案を批判し、「水俣病問題は終わっていない。どうして国会が加害企業の責任逃れを手助けするのか」と抗議しました。
今回の法改定は、親会社が子会社の株式を売却する際に株主総会で3分の2以上の議決権を集めた特別決議を義務付けるもの。ところが、チッソによる子会社株の売却だけを適用除外とする修正案を日本維新の会が提案し、4月25日に衆院本会議で可決しました。
大石氏は陳述で「足の甲をガラス片が貫いても痛みを感じなかった」と自身の症状も語りながら被害者の苦しみを紹介。公式確認から58年たったいまも多数の未救済者が残されているとして、チッソの事業を受け継ぐ子会社の株式を売却すれば「未救済の被害者が補償されなくなる恐れがある」と訴えました。
大石氏はまた、水俣病被害者救済特別措置法による救済措置(2012年7月に申請締め切り)の審査で「被害者の不当な切り捨て」があったと告発し、▽ずさんな検診で症状が認められない▽半世紀前の居住歴・生活歴を証明する書類を求められる▽対象地域や出生年による不合理な線引き―などの問題点を指摘しました。
日本共産党の仁比聡平議員は大石氏に、「全被害者の救済を本当に進めるには何が必要か」と質問。大石氏は、水俣病問題の解決には「地域住民の健康調査」と「環境調査」の二つが不可欠だとし、症状があると医師が診断書を出した人には居住歴などの証明書を無理強いせず救済すべきだと訴えました。