2014年5月14日(水)
アホウドリ 小笠原諸島で復活?
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1930年代までの乱獲で小笠原諸島から姿を消した国の特別天然記念物アホウドリと推定されるヒナ鳥が見つかりました。東京都が12日、同諸島の媒島(なこうどじま)で確認したと発表しました。国内の繁殖地は、伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島が知られていますが、今回のヒナがアホウドリなら小笠原諸島では戦後初の確認です。
都とNPO法人・小笠原自然文化研究所によるアホウドリ類の調査で7日に確認し、足環(あしわ)を付けました。ヒナの性別は不明で、親鳥は確認できませんでした。採取したヒナの羽毛をDNA分析し、種の同定を進めます。
鳥島での将来の噴火による危険を避けるため、山階(やましな)鳥類研究所が2008年から12年まで、ヒナを鳥島から小笠原諸島聟島(むこじま)に移送して新しい繁殖地をつくる“移住作戦”を実施。移送した計70羽のほとんどが巣立ち、一部が聟島周辺に戻ったり、野生個体とつがいをつくって抱卵する姿も確認されていましたが、ふ化には至っていませんでした。
媒島は聟島から約5キロメートルと近く、今回のヒナが聟島から巣立ったアホウドリの子孫である可能性があります。山階鳥研の尾崎清明副所長は「そうだとすればプロジェクトの成果といえる。そうでなくても繁殖地が増えることは望ましい。ヒナの両親がこの秋に戻ってくるのを確認したい」と話しています。