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2014年5月14日(水)

東京・豊洲新市場

工事受注のゼネコン17社 都OB64人天下り

「入札情報でやりとり」証言も

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 東京・築地市場(中央区)を東京ガス工場跡地(江東区豊洲)に移転する東京都の工事を受注した建設会社(ゼネコン)17社に、元局長ら都OBが天下りしていたことが13日、本紙の取材で明らかになりました。


局長級3割

図

 都は2016年春に豊洲新市場の完成を予定し、11年8月〜14年2月にかけて土壌汚染対策3件、市場建設4件の大型工事を発注、七つの建設共同企業体(JV)に参加した27社が受注しました。当初契約額は合計1645億円で、今後さらに膨れ上がる見通しです。

 本紙が複数の都OB会の名簿(09〜13年に発行)をもとに取材した結果、新市場工事を受注した17社にOB64人が在籍していたことが判明しました(表)。局長級は9社・19人(約3割)で、その大多数がいったん外郭団体に天下りした後に、ゼネコンに再度天下りしていました。

 都総務局の公表資料「都庁版人材バンク」によると、10〜13年の4年間に都幹部17人が同工事を受注した清水建設、大成建設、鹿島建設など12社に直接天下りしていました。

 そこでの役職は顧問、審議役、理事、部長、調査役、参与、技師長などさまざまです。

 総務局人事部は「都を退職後2年間は、退職前5年間に担当した職務に関連する営業活動に従事しない」ことを再就職の条件にしていると説明。外郭団体などを経て民間企業に移ったOBは公表していません。

 大手ゼネコンに籍を置く元局長は「OBは営業職につかないことになっているが、それは建前だ。私も都の幹部と会って、新市場の入札情報でやりとりをしたことがある」と“証言”します。

解説

大型工事あてこむ癒着温存

 大型工事発注企業への都OBの天下り癒着は、バブル経済期に新都庁舎、東京国際フォーラム建設、臨海副都心開発などを手掛けた鈴木都政時代(1979〜95年)に顕著となり、現在も温存されています。

 本紙の12年2月時点での調査では、豊洲新市場工事を受注したゼネコンに在籍していた都OBは13社・40人でした。今回調査では17社・64人に増えています。

 新市場建設をめぐっては、昨年11月の工事入札で4件中3件が不調となりました。都は2月に予定価格を407億円(65%)も引き上げて再入札を実施、落札率(予定価格に対する落札額の割合)は最高99・96%と異常な結果となりました。

 江東区民オンブズマンの会の鈴木康吉事務局長は「そうそうたる幹部が天下りしていますね。新市場の工事入札で都がゼネコンの要求を聞いて、工事発注額を大幅に引き上げたのは、OBを受け入れてもらっているという弱みがあるからではないかと疑わざるをえない」と語ります。

 都は今後、20年東京五輪施設、大型幹線道路など大型公共事業を相次いで計画しており、都財政への影響が心配されています。

 不要不急の大型開発の見直しとともに、利害関係のある企業への天下りを全面禁止し、癒着関係を断ち切ることが必要です。  (岡部裕三)


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