2014年5月11日(日)
日本の高学費 世界一
国に届け! 値下げ求める声
高校・大学修学費1000万円超■バイト学生8割
「高校時代、大学の学費を稼ぐため、授業を抜けて働いた」「学費を賄うためにアルバイトして、勉強との両立に苦しむ友人がいる」。世界一高い日本の学費。学生の実態と願いは―。(土田千恵)
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「小学校の先生になりたいんです。高校時代学費を稼ぐのはつらかったけど、大学をあきらめて、40年間ほかの仕事をやるなんて考えられなかった」。今年、西日本の大学に入学した女子学生は語ります。
■自力で稼ぎ
高校時代、両親が失業し、「進学をあきらめてほしい」といわれました。しかし、自力で学費を稼いで、入学。「高校でためたお金は、初年度納付金でほぼ使い切りました。これからもバイトで大変だと思うし、不安です」
日本は、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の中で唯一、学費無償も給付制奨学金もなく、世界一学費が高い国といわれています。高校と大学に通えば、修学費用は最低でも1千万円超。今年も首都圏の私大では、数万円の学費値上げが実施されました。
東京私大教連の調査では、私立大学入学時の経済負担を、「重い」と回答した家庭は9割を超えます。仕送り額から家賃を引いた、学生の1日の生活費は、937円と過去最低となりました。ピークだった1990年の2460円の4割以下です。
■学業の妨げ
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アルバイトをする学生は8割にのぼり、このうちアルバイトが「学業の妨げになった」と答える学生は半数以上です。生活費のために働く学生は31・7%に達します。(東京大学「学生生活実態調査」2012年)
高学費に追い打ちをかけるように貧困が拡大しています。低賃金の非正規雇用労働者は、雇用者の4割近くに迫ります。生協労連のパート労働黒書では「年収が230万円以下だったため、銀行での融資を受けられず、本人が大学進学を希望しながら、家庭の事情で就職を選ばせました」との悲痛な声が寄せられています。
日本政府は2012年9月、高校・大学までの段階的な学費無償化を定めた国際人権A規約13条2項b・cの批准留保を撤回しました。学生や保護者らの運動で実現した画期的な成果です。
しかし、政府は今年度予算でも学費値下げをしていません。日本共産党の宮本岳志衆院議員は2月の予算委員会で、国際人権規約を守り、学費値下げと、給付制奨学金などを実施するよう求めました。
学生からは学費値下げを求める声と運動が広がり始めています。
西日本の大学に通う男子学生は「親に気兼ねしながら大学に通っている。気負いなく勉強したいし、友達にも学費で大学在学を悩んでいる人がいるので、ほかの国と同じように無償にしたい」と話します。
先の女子学生は語ります。「高校の友達も、学費が高すぎることを話してみると、みんな『ダメだね』『こまる』などと言います。署名運動をして、一人でも多くの人にこの問題をわかってもらって、政府に届けたい」