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2014年5月10日(土)

きょうの潮流

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 人気漫画「美味(おい)しんぼ」が物議をかもしています。直近の連載で福島第1原発を訪れた主人公らが鼻血を出す場面が問題に。地元の福島・双葉町は「風評被害を生じさせ、福島への差別を助長させる」との抗議文を出しました▼読者からの問い合わせも相次ぎ、発行元の小学館は批判や識者の見解をまとめた特集記事を載せる予定だといいます。作者の意図はわかりませんが、「私は真実しか書かない」とブログに綴(つづ)っています▼原発をめぐって、もう一つの漫画がいま話題になっています。題名は、福島第1原発の通称「いちえふ」。2012年6月から半年間、そこで働いた体験を克明に描いています。最近発売された単行本は無名の漫画家としては異例の初版15万部を出荷しました▼厳重な装備や作業に至るまでの複雑な手順、放射線量の高い建屋内の作業…。細部をはじめ、熱中症が頻発する労働の過酷さや多層下請けの実態がみえてきます。作業員同士が交わす「ご安全に!」という掛け声が、事故現場の生々しい日常を象徴しています▼作者は“脱原発”とは一線を画しますが、漫画からは日々見えない恐怖とたたかう姿が伝わります。先日、高濃度の汚染水があったことを隠したまま危険な作業をさせられ被ばくしたとして、元作業員が東京電力らを提訴しました▼原発事故後に携わった作業員は3万をこえ、健康管理が課題になっています。「現場の環境改善を進めてほしいと思い、提訴した」。命をさらす日常からの重い告発です。


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