2014年5月10日(土)
集団的自衛権の行使容認論 「強弁」「世論惑わす」
砂川事件弁護士ら批判声明
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旧米軍立川基地(東京都)の拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に立ち入ったとして起訴された砂川事件(1957年)にかかわった弁護士らが9日、都内で記者会見し、自民党の高村正彦副総裁らが唱える砂川事件最高裁判決を援用した集団的自衛権の行使容認論について「牽強付会(けんきょうふかい=自分の都合よく強引に理屈をこじつけること)の強弁に過ぎない」と厳しく批判した声明を発表しました。
会見したのは砂川事件弁護団の内藤功氏、新井章氏、山本博氏、神谷咸吉郎氏ら。声明は首相の諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が、集団的自衛権の行使を容認する報告書を提出する前に取りまとめたものです。
このなかでは、裁判の「主要な争点」は日米安保条約に基づく米軍駐留の憲法9条適否であって、わが国固有の自衛権問題ではなかったことなど、砂川事件最高裁判決のとらえ方を説き、集団的自衛権行使の可否について判断も示唆も示していないと指摘しています。
会見で弁護士らは「国民世論を惑わそうとしているとしか評価できない言説」(新井氏)などと厳しく批判しました。弁護士らは声明を各政党に届け、自民党の高村副総裁にも面会を求めたいとしています。