2014年5月8日(木)
教育委の役割発揮が重要
改悪法案で参考人が指摘
宮本議員が質問
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教育委員会を首長の支配下におく教育委員会改悪法案を審議中の衆院文部科学委員会は7日、参考人質疑を行いました。中嶋哲彦・名古屋大学大学院教授、梶田叡一・奈良学園大学学長、穂坂邦夫・NPO法人地方自立政策研究所理事長の各参考人はそれぞれ、教育の政治的中立性の重要性に言及。中嶋氏は、教育施策の方針となる「大綱」に教育内容まで書き込めると下村博文文科相が国会で答弁していることを「極めて問題がある」と批判しました。
日本共産党の宮本岳志議員の質問に対して、中嶋氏は同法案の狙いについて、教育内容を改悪教育基本法にそって改変する「教育再生推進法」立法の動きにもふれ、「愛国心教育や教育制度の新自由主義的改革が準備されている。十分警戒しなければいけない」と指摘。「愛国心など特定の道徳を、国民としてあるべき姿として国民に示すことはあってはならない」と強調しました。
宮本氏は、中嶋氏が教育委員を務めていた愛知県・犬山市教育委員会の取り組みについて質問。中嶋氏は、犬山市教育委員会が習熟度別によらない少人数授業を予算も要求し実施したことを紹介しました。
中嶋氏はその上で「市町村の教育委員会が自主的に教育をつくっていくことができる、地方自治的に行えることが、現在の教育委員会関係者によって理解されていない」と述べ、「教育委員会の教育行政の専門性を担保するしくみが重要だ」と主張。教育委員会制度を変えたり、なくしたりするのではなく、本来の役割を発揮させることの重要性を説きました。