2014年5月6日(火)
マレーシア 6%の消費税 来年導入計画
国民の反対広がる
【ハノイ=松本眞志】マレーシアで2015年4月に導入予定の「物品サービス税(GST)」(日本の消費税に相当)に反対する国民の動きが活発化しています。
メーデー 市民2万人結集
今年5月1日のメーデーでは、同税導入に反対する市民約2万人が首都クアラルンプールの「独立広場」に結集しました。現地メディアは「ここ数年で最大規模」と報道。国民の新税導入の影響への不安と懸念が広がっています。
マレーシアの国営ベルナマ通信によると、ナジブ首相は1日、「変化(税導入)は止められない。もし、われわれが変化しなかったら、緊縮経済に直面して国民に被害がもたらされる」と釈明しました。
政府は、6%のGST導入の理由として、財政収入を高めて負債を削減することを目的にするとしています。
ナジブ氏は昨年10月に、国会の予算演説でGST導入の構想を明らかにしました。これより前の04年にも、(当時の政府は)すでに存在する売上税やサービス税を生活必需品への課税も含めた「物品サービス税」に一本化するとの構想を提案しましたが、国民の反発で延期されました。
来年に迫った新税導入への反発が急激に広がった背景の一つに、政府が燃料や電気の補助金を削減したために物価が上昇し、低所得層に打撃となった問題も指摘されています。野党人民正義党(PKR)のイスマイル書記長もメーデー集会に参加し、「新税導入を強行するならば、決起して政府を倒そう」と呼びかけました。