2014年5月4日(日)
ウクライナ 外交解決こそ
安保理が緊急会合
【ニューヨーク=島田峰隆】国連安全保障理事会は2日、ロシアの要求を受けて緊急会合を開きました。親ロシア派が拠点とするウクライナ東部を暫定政権が攻撃し、武装集団を強制排除する軍事作戦を始めたことについて、ロシアが「自国民に対する懲罰的な軍事行為だ」(チュルキン国連大使)とウクライナを非難、米国などが反論しました。
国連のフェルトマン事務次長(政治担当)がウクライナ情勢について報告し、「外交的解決が危機から抜け出す唯一の方法だ」と強調。あらゆる当事者に対し、4月に採択された緊張緩和に向けたジュネーブ合意を守るよう求めました。理事国からも「ジュネーブ合意が実施されるようすべての当事者が建設的な外交へ努力しなければならない」(アルゼンチン)といった声が上がりました。
チュルキン氏は「ウクライナ暫定政権にジュネーブ合意を順守する意図がない」と指摘。暫定政権を支援しているのは欧米諸国だと非難しました。
米国のパワー国連大使は「ロシアから指示を受ける工作員と自警武装集団こそが暴力の源だ」と反論。「暫定政権の行為はロシアの自警武装集団を抑え込み、ウクライナ市民を保護するためのものだった」と述べました。
ウクライナのパブリチェンコ国連次席大使も「軍事作戦の目的は民間人から武装勢力を分離させることだ」と指摘。「武装勢力への支援やウクライナの主権と領土の一体性を弱める行為をやめる」ようロシアに求めました。