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2014年5月3日(土)

インド総選挙電子投票機「白票ボタン」

賛 「政党へ圧力になる」

否 「有権者の責任逃れ」

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 【ニューデリー=安川崇】総選挙の投票が続くインドで、国政選挙で電子投票機に初めて導入された「上記候補に該当なし」ボタンに、賛否の声が上がっています。公式に「白票」を投じる選択肢ですが、「政党に対する圧力になる」と賛成する立場と、「無意味だ」「有権者の責任逃れだ」と批判する立場に分かれています。

 首都ニューデリーで投票があった10日。投票所を出た繊維会社経営の男性(65)は「どの候補も支持できない。白票を投じた」と強い口調で語りました。

 インドの投票は紙ではなく、電子投票機のボタンを押す形式が主流。白票ボタンはNOTA(None of the aboveの略)と呼ばれ、投票機に並ぶ各候補のボタンの末尾に設置されました。

選管に申し出

 きっかけは電子投票の導入。投票用紙の時代には白票を投じるのは容易でしたが、電子投票機には各政党・候補者のシンボルマークがついたボタンしかなく、棄権したい有権者は選管職員に申し出ることになっていました。

 これに対する異議申し立てを受けた最高裁が2013年9月、「現状は秘密投票の権利の侵害」と判決。NOTAボタンの設置を選管に命じました。判決は、選挙に関心を失った有権者が投票所に足を運ぶ効果も期待でき、投票率アップにつながるとも指摘しました。

 閣僚経験もあるジャヤンティ・ナタラジャン氏は3月末の現地紙への寄稿で、「NOTAボタンにOK」と歓迎。同国では犯罪の嫌疑をかけられている候補者が多数立候補・当選する現状を指摘し、「白票を通じて各政党に、よりクリーンな候補を立てるよう圧力がかかる」と述べました。

結果に無影響

 ただし、NOTA票は選挙結果に影響を与えません。国政選挙に先だって導入された中部マディヤプラデシュ州の議会選では、ある選挙区で1位と2位の候補の得票差を上回る数のNOTA票が投じられましたが、そのまま1位候補が当選しました。このため、「意味がない」との批判が根強くあります。

 主要ニュースチャンネルのラジディプ・サルデサイ編集長は最近の全国紙への寄稿で、投票所を訪れたもののいずれの候補者も支持できずためらった経験を紹介。「しかし、私は1人の候補を選び投票した。NOTAは結果に影響を与えない。それは有権者の責任放棄だ」と述べ、市民が選択し投票する責任を強調しました。


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