2014年5月2日(金)
水俣病 全被害者の救済を
公式確認58年で追悼
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「公害の原点」とされる水俣病の公式確認から58年となった1日、熊本県水俣市で水俣病犠牲者の「慰霊式」が、被害者団体などでつくる慰霊式実行委員会と水俣市の主催で行われました。
被害者や遺族ら約750人が参列し、鐘が鳴り響く中、黙とう。式辞で西田弘志市長は「長い時は過ぎても遺族の悲しみ、被害者の苦悩は続いている。水俣病にきちんと向き合い、生まれてよかったと言える地域をつくっていく」と述べました。
出席した石原伸晃環境相は「国は被害拡大を防げなかった」と述べる一方で、被害実態を無視した国の認定基準で切り捨てられた未認定被害者の救済にはふれませんでした。
同日、石原環境相は被害者11団体と意見交換会を開きました。
国と熊本県、加害企業チッソに損害賠償を求めている「ノーモア・ミナマタ第2次訴訟」の飯尾正二原告団長(56)=水俣病不知火(しらぬい)患者会=は、国が水俣病被害者特措法を打ち切ったため「多くの被害者が救済されずに残されている。被害全容も明らかでない」と強調。熊本・鹿児島両県にまたがる不知火海沿岸での住民健康・環境調査を要求しましたが、石原環境相は回答を避けました。