2014年5月2日(金)
原爆の苦しみ 今も
NPT関連行事 被爆者が体験証言
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【ニューヨーク=島田峰隆】核不拡散条約(NPT)再検討会議第3回準備委員会の関連行事として、被爆者の証言を聞く催しが4月30日、当地でありました。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の児玉三智子事務局次長と広島県被団協の佐久間邦彦副理事長が広島での被爆体験を語りました。
児玉さんは、被爆直後の惨状、被爆者への偏見や差別に苦しんだこと、娘ががんで突然亡くなったことなどを発言。「原爆は、命、体、心、暮らしのすべてにわたり(投下から)68年を超える今も被爆者を苦しめ続けています。核保有国の指導者らには広島と長崎を訪れ残虐な事実をその目で見てほしい」と述べました。
佐久間さんは、被爆者ががんや白血病で亡くなったり、“自分もいつかそうなるのでは”と恐怖の中で生活を強いられたりしていると指摘。「原爆は過去の出来事ではない。被爆者は今もその影響に苦しんでおり、核兵器の非人道性はだれの目にも明らかだ」と述べ、核兵器禁止条約の制定を呼び掛けました。
29日には準備委員会の会場で、広島での被爆体験を語った日本被団協の山田玲子代表理事が、「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」とした2010年NPT再検討会議の行動計画の実施を要求。「生きているうちに核兵器が禁止、廃絶されることが被爆者一人ひとりの心からの願いだ」と力を込めました。