2014年4月29日(火)
沖縄市長選
島袋氏が善戦・健闘
新基地反対で共同広がる
沖縄市長選が27日投開票され、民主・革新市政の継承候補で前副市長の島袋芳敬(よしのり)氏(64)=日本共産党、社民、社大、生活推薦=は、前回選挙比で4766票伸ばし、得票率48・1%と善戦・健闘しましたが、及びませんでした。当選は、自民党前県議の桑江朝千夫氏(58)=自民・公明推薦、民主・維新・そうぞう支持=。
安倍自公政権・自民党本部は、11月予定の県知事選を左右する前哨戦と位置づけ、総がかりで市長選に介入。自民党の石破茂幹事長が3度も沖縄市入りするなど、地方首長選としては異常な支援態勢で臨みました。公明党も前代表の太田昭宏国土交通相が駆け付けたほか、全国から青年運動員を送りこみ、県内約10カ所で集会を開くなど、前例のない組織戦を展開しました。
2013年参院比例で力関係をみると、桑江陣営は自民、公明、民主、維新が獲得した約2万8000票、これに対し、島袋陣営は日本共産党、社民、生活の1万6000票でした。今回、その差を2000票余りまで大きく追い詰めたことになります。
背景には、名護市辺野古への新基地建設反対で保守・革新を超えた共同の広がりがありました。歴代市長や桑江氏の元後援会長、保守系市議ら多くの保守層が新基地建設反対の「オール沖縄」の県民総意を代表する島袋氏を支援しました。
論戦でも島袋氏は「基地は経済発展の阻害要因。新たな基地は絶対に造らせない」と訴えたのに対し、桑江氏は、争点そらしに終始。「(辺野古移設の是非は)沖縄市の争点になり得ない」「ノーコメント」とのべる一方、「革新不況」などと根拠のない中傷や責任転嫁を繰り返しました。自公陣営が基地問題で信任を得たとは言えない状況です。
琉球新報の出口調査でも、桑江氏に投票したうちの44%を含め、全体で6割が米軍普天間基地(宜野湾市)の「県内移設」を認めていません。
開票結果は次の通りです。
当桑江朝千夫58無新
29968
島袋 芳敬64無新
27779
(投票率57・73%)