2014年4月26日(土)
ロシア軍事演習開始
ウクライナ国境 緊張高まる
【パリ=浅田信幸】ウクライナの治安部隊が親ロシア派武装集団の強制排除を再開したことに対し、ロシアは24日、同国との国境地帯で大規模な軍事演習を開始しました。ロシアのプーチン大統領は同日、強制排除開始の報道について「自国民に武器を使うのは重大犯罪」「決定を下した者には結果が伴う」と、ウクライナへの介入を示唆しており、緊張が高まっています。
軍事演習開始を明らかにしたロシアのショイグ国防相は「ウクライナ当局は一般市民に対する武力行使を決定した。武力行使をやめなければ、死傷者の数は増える」と指摘。「ロシアはこうした状況に対応せざるを得ない」と述べました。
これに対し、ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は同日、国民向けのテレビ演説で、「われわれはテロリストの脅迫を前に後退はしない」と宣言。ロシアに内政干渉をやめ、東部国境から軍を撤退させることを要求しました。
また、同氏はレビン米上院議員との会談で、ロシアの行動は、全当事者に自制を求めたジュネーブ合意に完全に違反すると主張しました。
ウクライナの治安部隊が24日に親ロシア派勢力の強制排除を再開したスラビャンスクとマリウポリについては情報が交錯していますが、武装集団は25日未明の段階でなお市庁舎などを占拠しているもようです。
インターネットでニュースを配信しているキエフ・ポストによると、ウクライナ当局は東部国境線の緊迫化に伴い、情勢分析と作戦練り直しのため、治安部隊の行動を一時中断しました。また24日の作戦で、死者は計7人になったといいます。