2014年4月25日(金)
アニメ制作現場 劣悪
月600時間労働 田村氏が告発
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「世界に誇る日本のアニメ文化だが、制作現場の労働条件はきわめて劣悪だ」。日本共産党の田村智子議員は24日の参院文教科学委員会で、アニメーション制作現場の深刻な実態を告発。東京都のアニメ制作会社「A‐1 Pictures」の男性アニメーター(当時28歳)が、2010年10月に過労によるうつ病が原因で自殺した背景に「月600時間(1日あたり20時間)労働」で、残業代も未払いという異常な労務実態があったことを示しました。
田村氏は、日本アニメーター・演出協会が2008年に行った調査(728人を対象)では、アニメーターの賃金は年収200万円未満が9割で、労働時間管理がなされず、社会保険も未加入という事例が多数あったと指摘。「労働条件改善の啓発を行うことが必要ではないか」とただしました。
下村博文文科相は、日本のアニメ産業を支えるアニメーターの多くが、全国平均を大きく下回る低賃金のもとでの労働を余儀なくされているとの認識を示し、「国内の優れたアニメーターが育ちにくい状況が指摘されている」と答弁。労働環境の改善に取り組む姿勢を示しました。