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2014年4月22日(火)

首相、靖国神社に「真榊」

世界の批判に無反省

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 安倍晋三首相は21日、靖国神社(東京・千代田区九段北)に祭具である「真(ま)榊(さかき)」を納めました。同日に始まった同神社の春季例大祭に合わせたもの。「内閣総理大臣 安倍晋三」の肩書で納めました。


 安倍首相は昨年12月末に、参拝を強行し、国際的な批判をあびました。首相のこれらの行動は、過去の侵略戦争を美化する靖国神社の歴史観を政府として肯定する行為で、批判に対する無反省ぶりを示しています。また、日独伊の侵略を断罪した第2次大戦後の国際秩序に正面から挑戦するものです。

 12日には新藤義孝総務相が、20日には古屋圭司国家公安委員長がそれぞれ参拝したほか、21日に田村憲久厚労相も真榊を奉納。オバマ米大統領が国賓として来日(23日)する直前の首相や「靖国」派閣僚による相次ぐ参拝・奉納の強行は、首相参拝に「失望」を表明した米政府との関係にも影響を与えかねません。

 菅義偉官房長官は21日の記者会見で首相の参拝について見解を問われ、「私人としての行動に対して政府として見解を申し上げることがらではない」と述べました。


 真榊 「真榊(まさかき)」の「真」は美称。常緑樹の「榊」は祭具として神前に供えられるもの。榊の枝に白い紙でつくった「白幣(はくへい)」などをつけて祭祀(さいし)が行われてきました。現在では赤または緑・黄・赤・白・青の五色の絹で飾るなど、さまざまな様式のものがあります。神前に供えて神に祈願する祭具である「真榊」の神社への奉納は、宗教行為そのものです。


侵略美化に身を置くもの

山下書記局長が批判

 日本共産党の山下芳生書記局長は21日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相が靖国神社に祭具の真榊を奉納したことについて、「参拝に準じる行為だ。侵略戦争を美化する立場に自ら身を置くものであり、厳しく批判したい」と述べました。

 山下氏は「靖国神社の最大の問題は、過去の侵略戦争を『自存自衛の正義のたたかい』『アジア解放の聖戦だった』と美化することを存在意義としているところだ」と指摘しました。さらに、新藤義孝総務相と古屋圭司国家公安委員長が週末にかけて靖国神社を参拝したことについて、「総理が昨年、参拝したとき、私たちは『戦後の国際政治の秩序に対する挑戦だ』と批判しました。アメリカ政府からも、『失望』という声が伝わってきた。総理と閣僚の一連の行為を改めて厳しく批判したい」と語りました。


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