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2014年4月20日(日)

主張

教育委員会改悪法

政治支配を許さない共同を

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 安倍晋三政権提出の「教育委員会改悪法」案の審議が衆院で行われています。日本共産党は「安倍政権の『教育委員会改悪法』に反対する国民的共同をよびかけます」とのアピールを発表しました。

独立性を取り上げ

 教育委員会は国や首長から独立した行政組織である点に特徴があります。法案は、その教育委員会を国と首長の支配下に置くものです。第一に、自治体の教育政策の基本となる「大綱」を決める権限を首長に与え、教育委員会は首長の方針を具体化する“下請け機関”にします。しかも「大綱」は国の教育についての基本方針を「参酌(さんしゃく)」してつくることが求められています。第二に、首長が任命する教育長が教育委員会のトップにすえられます。現在は教育委員会が教育長を任命し指揮監督する仕組みですが立場が逆転します。

 教育委員会の独立性は大きく損なわれ、国と首長が教育と教育行政を支配するようになります。これは憲法が保障した教育の自由と自主性の侵害にほかなりません。

 教育委員会は、「君が代・日の丸」に見られるように歴代自民党政権から国の教育方針を押し付けられてきました。それでも、教育委員会には首長からの独立性が残されています。例えば、橋下徹大阪市長が違法な思想調査を実施しようとしたとき、市教育委員会が反対して、教職員などへの調査は実施されませんでした。法案は教育委員会に残された首長からの独立性を取り上げるものです。

 安倍政権が教育委員会の独立性を奪おうとしているのは重大な狙いがあるからです。

 一つは侵略戦争美化の「愛国心」教育を進める狙いです。「海外で戦争をする国」づくりを目指す安倍首相は、日本が起こした侵略戦争を肯定・美化する立場から、戦後教育を敵視し、特に歴史逆行の特異な教科書で子どもたちを教えることを追求してきました。しかし、多くの教育委員会の良識はそれを拒んでいます。そのため教育委員会を弱体化させ、国と首長の政治的圧力で、侵略戦争美化の教科書や安倍流「愛国心」教育を押し付けようというのです。

 もう一つは教育に異常な競争主義を持ち込むことです。安倍政権は、「序列化や過度の競争」を理由に禁じていた全国学力テストの学校別の平均点公表を今年度から自治体の判断でできるようにしましたが、多くの教育委員会は公表に慎重です。そこで教育委員会を弱体化させ、全国的な競争体制をつくろうというのです。

 安倍政権のやり方には現職の教育委員をはじめ多くの国民から批判の声があがっています。子どもの権利・教育・文化全国センターが全国の教育委員を対象にしたアンケートでは「教育行政に首長の政治的考え方が反映しやすいしくみに変えようとしていること」に68%の教育委員が反対、どちらかといえば反対と答えました。一般紙の世論調査でも「政治家が学習内容をゆがめることのないよう一定の歯止めが必要」が75%に上っています(「朝日」2月18日付)。

立場の違い超えて

 いまこそ、政治的立場や教育についての考え方の違いを超え、すべての自治体、学校、地域から、「教育委員会改悪法」に反対し、教育への政治支配を許さないとの声を上げようではありませんか。


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