2014年4月19日(土)
福島第1原発 基準超す地下水 初検出
「バイパス計画」 井戸から1600ベクレル
東京電力は17日、福島第1原発の「地下水バイパス計画」で水をくみ上げるための12本の井戸の一つで15日に採取した水から、1リットル当たり1600ベクレルのトリチウム(3重水素)が検出されたと発表しました。この計画での東電の放出基準は同1500ベクレル未満で、基準を超える放射能濃度が検出されたのは今回が初めて。
今回、基準値を超えた井戸の上流側130メートルほどの地点には、昨年8月に約300トンの放射能汚染水が漏れたタンクがあり、この井戸のトリチウム濃度は他の井戸と比べて突出して高い傾向が続いています。
地下水バイパスは、原子炉建屋地下などの高濃度汚染水にふれる前の地下水をくみ上げて海に流す計画。政府や東電は早ければ5月の連休明けにも海への放出を開始したいとしています。
東電は、12カ所の井戸でくみ上げた水をいったん同じ貯蔵タンクにためて基準値を下回っていれば放出する方針。この仕組みでは一つの井戸で基準値を上回っても、薄められて放出される可能性があります。井戸からのくみ上げは9日に開始され、すでに600トン以上ためられています。ただ受け入れ側のタンクの水位計が故障したため、くみ上げは14日から停止しています。