2014年4月17日(木)
政治の教育介入助長
教委改悪法案 宮本議員が批判
衆院文科委
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日本共産党の宮本岳志議員は16日の衆院文部科学委員会で、教育委員会改悪法案について、首長による教育内容への介入まで助長すると批判しました。
戦後、政府は地方教育行政の根本方針として(1)教育の地方分権(2)一般行政からの独立(3)民衆統制の三大原則を掲げました。教育委員会制度を定めた法案の趣旨説明でも、当時の森戸辰男文部相は教育の自主性・独立性を強調しています。(注)
宮本氏は、この「戦後教育行政の三大原則」は現在の教育委員会制度にも引き継がれていることを認めさせたうえで、下村博文文科相が、首長が定めるとした教育の振興に関する「大綱」に教育内容を盛り込むことを「妨げられない」(15日、本会議)と答えたことを追及。「教育への政治的中立性の確保どころか、政治介入を容認、助長するものだ」と述べました。
下村氏は改めて「大綱」に教育内容を盛り込むことを「妨げない」と認めました。また、教育委員会の合意なしに大綱が策定された場合については「執行については、教育委員会の権限のもとで執行するかしないか判断することになる」と述べました。
これに対し宮本氏は、教育長に対する指揮・監督権を教育委員会から奪い、首長が教育長を任命することをあげ「首長の意向を不同意とするのは困難だ。教育長が首長の意向に沿って教育行政を行うことになるのは明白だ」と指摘。世論調査でも75%の人が「政治家が教育内容をゆがめない歯止めが必要だ」と答えていることを示し、法案の撤回を求めました。
(注) 1948年6月19日 森戸辰男文部大臣 「教育委員会は、原則として、都道府県、または市町村における独立の機関であり、知事または市町村長の下に属しないのでありまして、直接国民にのみ責任を負って行われるべき教育の使命を保障する制度を確立することにいたしました」