2014年4月16日(水)
労働条件偽装にメス
ブラック企業の手口「固定残業代制」
吉良議員 現場の声 国会に
|
ブラック企業規制への貴重な一歩―。3月11日の参院予算委員会で、日本共産党の吉良よし子議員が追及した質問が行政を動かしました。
吉良議員は、長時間労働や残業代の不払いを強いるブラック企業の手口として、募集時の月給総額に長時間労働を前提とした残業代をあらかじめ含ませてまともな賃金に見せかける「固定残業代制」を取り上げました。求人情報誌や求人サイトに表示の是正を政府が呼びかけるよう求めたのです。
吉良 固定残業代制の大きな問題として募集広告の問題がある。月給総額だけが記載された募集要項を見るだけでは固定残業代制になっていることが求職者にすぐ分からないということが、被害を拡大している。
田村憲久厚労相 求職者に誤解を与えるような表現はよろしくない。しっかり指導したい。
厚労省が、「求人受理時における求人内容の適正な対応について」という文書を全国求人情報協会など関係3団体に出したのは、質疑の3日後の3月14日。異例のスピード対応です。
|
また、文書は吉良議員の質疑の内容を「国会において『労働者の募集等に当たっては、基本給と固定残業代を分けて表示すべきではないか』と指摘があり…(分けないのは)求職者を欺く求人ではないかと問題視されていました」と紹介。適切な対応を図るよう周知を求めています。
吉良議員は「厚労省がすぐに動いたのは、それだけ現場の実態が切実だということです。今回は、候補者時代からたくさん聞いてきた固定残業代制の問題を国会で伝えることができた。ブラック企業の被害根絶に向けて今後も追及していきたい」と話しています。