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2014年4月10日(木)

きょうの潮流

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 悪意はなかった―。無数のフラッシュを浴びながら、70日ぶりに公の場に現れた小保方(おぼかた)晴子さん。みずからの論文の不備が、多大な迷惑をかけたことを謝りながらも、改ざんや捏造(ねつぞう)を否定しました▼「私の不注意、不勉強、未熟さゆえに多くの疑念を生んだ」と小保方さん。一方で、所属する理化学研究所の調査委員会は、未熟さだけに帰することのできない不正があった、と結論づけています▼肝心のSTAP細胞について、彼女は「200回以上作製に成功した」と、存在は真実だと主張しました。しかし新しい万能細胞の有無は、この日の会見でも確証は得られていません。このままでは科学への不信が募るだけです▼人体の組織や臓器を再生させる可能性をもつSTAP細胞の発見に、光明をみた人も多かったはず。小保方さん自身、いつか多くの人に役立つ技術まで発展させる日を夢見て、その使命感に燃えてやってきたと話しています▼いま科学研究の現場では、論文の生産数や研究資金の獲得が研究者の評価につながるといいます。成果主義のまん延は研究者を追い詰め、ともすれば世の役に立ちたいという初心を忘れさせてしまいます▼現代社会のなかで求められる科学者のあり方とは。科学史家の村上陽一郎さんはこう述べています。「社会と人類とに対して責任を持つことを、その倫理として確認し、研究を行うことを誓約することが、研究者の資格」(『科学者とは何か』)。それは、個人にとどまらず、組織にも向けられています。


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