2014年4月9日(水)
「解釈で憲法9条を壊すな」大集会での
志位委員長のあいさつ
8日に開かれた「解釈で憲法9条を壊すな! 4・8大集会」での日本共産党の志位和夫委員長のあいさつは次の通りです。
みなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。日本共産党の志位和夫です(拍手)。私は、日本共産党を代表して、熱い連帯のあいさつを送ります。(拍手)
「海外での武力行使」の「歯止め」を外す――憲法9条の削除と同じ
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集団的自衛権とは何でしょうか。端的に言えば、日本に対する武力攻撃がなくても、日本が武力の行使をするということです。その行使を容認するとはどういうことでしょうか。「海外での武力行使」への「歯止め」を外すということに他なりません。
その現実的な危険はどこにあるでしょうか。2001年の米国によるアフガニスタン報復戦争、03年の米国によるイラク侵略戦争のさいに、日本は自衛隊を派兵しました。しかし、どちらの場合にも、派兵法の第2条で、「武力の行使をしてはならない」「戦闘地域に行ってはならない」という「歯止め」がかかっていました。
集団的自衛権が行使できるとなれば、この「歯止め」が外されてしまいます。日本の自衛隊が戦闘地域にまで行って、米軍と一緒に戦闘活動ができるようになってしまいます。そうなれば日本の自衛隊が他国の人を殺し、自衛隊員から戦死者が出るかもしれません。日本を「殺し、殺される」国にしていいのか、このことが問われています。(「そうだ」の声、拍手)
しかも、安倍政権は、これを憲法解釈の変更で強行しようとしています。「海外での武力行使」への「歯止め」を外すということは、憲法9条を事実上削除するのと同じことになるではありませんか。もしそんなことが許されたら憲法が憲法でなくなるではありませんか(拍手)。断固として許すなの声を突き付けようではありませんか。(大きな拍手)
「限定行使」というが――時の政権の政策判断で範囲は無制限に広がる
みなさん。安倍政権は、国民の批判の広がりを恐れて、こういうことを言い出しています。
「集団的自衛権の行使といっても、無制限に行使するわけではない。我が国の存立を全うするために必要最小限度のものに限定して行使するのだ」
しかし、いったい「我が国の存立」に関わるか否かを判断するのはだれでしょう。時の政権ではありませんか。いったん「海外での武力行使」への「歯止め」を外されてしまったら、時の政権の政策判断で、範囲は無制限に広がることになります。実際、自民党の幹事長は、「自衛隊が地球の裏側まで行くこともありうる」と言っているではありませんか。「限定行使」というが何の「歯止め」もないのです。こんなまやかしの議論で、「海外で戦争する国」への暴走を許すわけには断じていきません。(「そうだ」の声、大きな拍手)
安倍改憲は思惑通りに進んでいるわけではない――圧倒的な国民世論で包囲しよう
みなさん。安倍政権は、国会では多数ですが、彼らのたくらみが思惑通りに進んでいるわけではありません。
彼らは、まず憲法9条の明文改憲を狙いましたが、うまく進みませんでした。そこでつぎに憲法96条の改憲手続きを緩和しようとしましたが、これにも「邪道だ」との声が起こり頓挫(とんざ)しました。そこで解釈改憲で集団的自衛権行使容認を進めようとしている。しかし、これに対しても、昨日の「朝日」の世論調査では、わずか1年足らずのうちに反対の声が56%から63%に急増しています(拍手)。歴代の内閣法制局長官も反対の声をあげています。一つひとつのたくらみが頓挫し、追い詰められているのは改憲勢力の側だということを私はいいたいと思います。(拍手)
たたかいの帰すうを決めるのは主権者である国民の世論と運動です。圧倒的な国民世論で安倍政権を包囲し、世界に誇る日本の宝―憲法9条を守り抜こうではありませんか。がんばりましょう。(大きな拍手)