2014年4月9日(水)
ウクライナ東部 緊迫
ロシア軍事介入の危険も
【パリ=浅田信幸】ロシア国境に近いウクライナ東部の主要都市で親ロシア派のデモ隊が政府庁舎を占拠、ドネツクではデモ隊が「共和国」樹立を宣言し、ロシア編入を問う住民投票の実施を要求するなど事態が新たな展開を見せ、緊張が一気に高まっています。
ロシア外務省は8日、声明を出し、ウクライナ政府に対し内戦につながる恐れのある軍事的な準備を即時停止せよと要求しました。
声明では、南東部のドネツクなどの住民に対し、ウクライナ内務省部隊や極右勢力「右翼セクター」、米国の民営軍事会社が力による鎮圧を目指し集結しているとしています。このような挑発がウクライナ市民の自由と権利、国の安定の脅威となっていると強調しました。
これに対し、北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は8日、ロシアのウクライナ東部への侵入は重大な結果を招くと警告し、「もしロシアがウクライナにさらに介入するならば、歴史的な誤りだ」と語りました。