2014年4月9日(水)
解釈で憲法9条壊すな
会場包む5000人熱気 東京で大集会
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憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認を狙う安倍晋三内閣に「ノー」を突きつける「解釈で憲法9条を壊すな! 大集会」(主催、同実行委員会)が8日夜、東京都内で開かれました。会場の日比谷野外音楽堂には、「輝く憲法九条」と書いた電光掲示板や「国は戦争するな 企業は武器を売るな!」と書いたプラカードも。会場は埋まり、入りきれなかった人も含め、5000人が参加しました。
ノーベル賞作家の大江健三郎氏がスピーチ。夏目漱石がデモンストレーションを示威行動と翻訳したことを紹介し、集会・デモの意義をのべました。「67年前に日本は新しい時代の方針をつくった。この新しい憲法です。戦争はしない、民主主義という新しい時代の精神です。時の政府がぶち壊そうとしている、新しい時代の精神を守るためしっかり歩きましょう」と語ると、拍手がわきました。
日本弁護士連合会憲法委員会の伊藤真副委員長らが連帯あいさつ。伊藤氏は「政府に戦争をさせない。そのために憲法があるんです。集団的自衛権行使を認める解釈改憲を絶対に許さない力を結集しよう」と訴えました。
日本共産党の志位和夫委員長、社民党の吉田忠智党首らがあいさつしました。
「集団的自衛権」という言葉から、イラク戦争を思い起こしたという東京都の女性(28)。「日本が戦争に力を貸し、私も加害者になってしまったと、悔しかった。戦争できる国づくりを止める第一歩になる大事な集会だと思います」と語りました。
集会後、デモ行進。衆参両院の議員面会所では、志位氏をはじめ日本共産党の議員団が参加者を激励しました。
「限定行使」はまやかし 憲法9条は日本の宝
志位委員長があいさつ
志位委員長はあいさつで、集団的自衛権の行使容認によって「武力行使の禁止」「戦闘地域に行ってはならない」という「歯止め」が外され、自衛隊が米軍と共に戦闘活動ができるようになると指摘。安倍政権が狙う憲法解釈変更による強行は、「憲法9条を事実上削除するのと同じこと。もしもそんなことが許されたら憲法が憲法でなくなるではありませんか」と訴えました。
さらに、安倍政権が持ち出す集団的自衛権の「限定行使」論について「時の政権の政策判断で、範囲は無制限に広がる」と批判し、「こんなまやかしの議論で、『海外で戦争する国』への暴走を許すわけにはいきません」と力を込めました。
世論調査でも反対の声が急速に広がっていることを紹介。「圧倒的な国民世論で安倍政権を包囲し、世界に誇る日本の宝――憲法9条を守り抜こう」と呼びかけました。