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2014年4月7日(月)

きょうの潮流

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 青いドーム屋根に、白亜の建物。岩手・三陸鉄道北リアス線の島越(しまのこし)駅は「目の前に海が広がる、お洒落(しゃれ)な南欧風の独特な駅舎」として、東北の駅百選にも選ばれました▼あの日。モダンな駅舎は跡形もなくなり、列車を通した頑丈な高架橋まで根こそぎ破壊されました。残ったのは駅前にあった宮沢賢治の詩碑と、ホームにつづく階段の一部だけ。その島越駅を含む、最後の不通区間だった田野畑(たのはた)―小本(おもと)間の運行が6日に再開されました▼これで3年ぶりに南北全線が開通した三陸鉄道。各駅や沿線では大漁旗がひるがえり、新学期を控えた住民も喜んでいます。望月社長は“第二の開業”を宣言しました▼ふたたび地域をつないだ鉄路。そこには関係者や地元の努力とともに、全国からの支援の輪がありました。「あまちゃん」ブームにも乗って大勢の人びとが訪れ、被災地を励ましました。困難にあきらめない三鉄の姿勢は、復興の象徴ともいわれました▼島越駅には愛称があります。「カルボナード」。賢治の童話「グスコーブドリの伝記」に出てくる火山島の名前です。燃えるような情熱と意欲をもち、住民を守るために命をささげた主人公ブドリ。その行動と勇気は当地の田野畑村の先人につながります▼ただし、車窓からは、いまだに復興とはほど遠い現実がみえます。宮古と釜石を結んでいたJR山田線は復旧のめどすら立っていません。とはいえ、トンネルの先がみえた第一歩。冬が終わり、東北にも3年目の春がめぐってきます。


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