2014年4月1日(火)
論戦ハイライト
社会全体の賃上げへ 参院決算委員会 田村議員の質問
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日本共産党の田村智子議員は31日の参院決算委員会の質問で、低賃金のうえ不安定雇用という自治体の非正規職員の実態を示し、国が正規化に力を尽くすよう求めました。
田村氏「自治体の非正規減らし、正規増を」
首相「正規への道をつくりたい」
消費税増税を前に政府も国会質疑で国民の所得、賃金の向上が必要だと認めています。田村氏は、「非正規雇用が増え続けたら、社会全体の賃上げにはつながらない」と指摘し、安倍晋三首相の認識をただしました。
田村 非正規雇用を減らし、正規雇用を増やすことが必要だということではないのか。
首相 さまざまな施策をとることで非正規の方々が正規に行く道をつくっていきたい。
田村氏は、自治体での非正規雇用の増大をパネル(グラフ)で示し、「総理のいう『非正規の正規化』ではなく、正規の職の非正規化が進んでいる」と明らかにしました。新藤義孝総務相は「臨時、非常勤が10万人増加し、正規職員は13万人減った」と認めました。
なぜ公務職場で非正規職員が増えたのか―。田村氏は「国が非正規化を進めた」とし、▽小泉内閣の“三位一体の改革”で地方交付税などを3年間で5兆円減▽公立学校や認可保育所でクラス担任に非正規職員をあてることを認める規制緩和―をあげました。
千葉県の教員採用(2013年度)は正規1600人に対し非正規1400人だと田村氏が示すと、下村博文文科相は「教育現場はできるだけ正規雇用が望ましい」と答えました。
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田村氏は、大手製造業などで横行する細切れ雇用が公務職場で当たり前になっていると労働者の声(別項)を紹介して是正を要求しました。
田村 1年の中で何度も(雇用を切って無給にする)「空白期間」を置く。あまりにひどいやり方だ。
総務相 継続雇用と見られないようにするためだという。実態把握や検証はすすめていく。
田村氏「育児休業、政府あげて」
首相「地方と相談し考えたい」
非正規雇用の自治体職員は2012年度で60万4000人。うち、任期が半年以内の臨時的任用の職員は24万5000人を占め、その8割以上が女性です。この臨時的任用職員の育児休業取得が法律上、保障されていません。
自治体独自の条例で育児休業を保障する動きが広がる一方、1742市区町村のうち716(昨年4月)にとどまる現状を示した田村氏。
田村 政府あげて取り組むべきだ。
首相 地方とも相談し、考えていきたい。
田村氏はさらに、産休が取れない働き方の実態を告発(別項)。「産前産後の休業は母性保護のために、どんな職場も保障しなければならない女性の権利だ」と迫り、首相の認識をただしました。安倍首相は「正規、非正規にかかわらず(産休は)認められるべきだ」と述べました。
「女性が輝く社会」をめざすと今国会でも幾度となくいう安倍首相。田村氏は国の施策で変えられると提起し、「公務職場の非正規の正規化を進めよ」と追及。安倍首相は「公務でも非正規から正規への道が広がるよう努力したい」と答えました。
田村氏は、公務・民間とも正規雇用を原則とするルールを確立するよう主張しました。
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