2014年3月29日(土)
夫婦別姓訴訟 原告の請求棄却
東京高裁
夫婦は同姓(氏)と定める民法の規定は、憲法と女性差別撤廃条約に違反するとして、富山や東京などの男女5人が国に損害賠償を求めた裁判の控訴審判決が28日、東京高裁でありました。荒井勉裁判長は、一審の東京地裁判決(昨年5月)を支持し、原告の請求を棄却しました。原告側は最高裁に上告する方針です。
判決は「選択的夫婦別氏制度の導入を求める国民意識が相当程度高まっている」「諸外国をみても、夫婦同氏の法制を採用している国が極めて少数であることが認められる」と国内外の変化を指摘。
一方で「世論調査等の結果による国民の意識として、選択的夫婦同氏制度に賛成する者が大勢を占めるに至っていない」と述べ、「『氏の変更を強制されない権利』が、個人の人格的生存に不可欠であるとまではいえず」「憲法13条によって保障されているとはいえない」と不当な判断を示しました。
女性差別撤廃条約については「(原告が)主張する権利が我が国の国民に保障されているとはいえない」としました。
原告らは、2011年2月、別姓を認めない民法750条は個人の尊厳を定めた憲法13条や姓の選択の権利を定めた女性差別撤廃条約に違反するとして提訴していました。
判決後に記者会見した榊原富士子弁護団長は「望まない氏の変更は、自分を奪われることのように苦しいということに思いを致してもらえなかった判決だ」と批判しました。