2014年3月28日(金)
世間の常識やっと
「検察の罪重い」
袴田さん再審開始
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強盗殺人罪などで死刑が確定していた袴田巌さんの再審開始決定をうけ、弁護団や支援者は27日、再審請求報告緊急集会を静岡市葵区で開きました。
「袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会」は、犯行時に使われたとされるシャツやズボンなどの「5点の衣類」は1年間みそ漬けになっていたものには見えないと実験したところ、短時間で同じものを再現させました。この実験も再審開始決定の理由とされました。
同会の山崎俊樹事務局長は、「裁判官は実験を評価してくれた。世間の常識が通じてうれしい。検察が決めつければ有罪とされてきたことはおかしい。一審静岡地裁で死刑判決に関与した元判事は無罪だと上申書も提出している。無罪の人を長年閉じ込めた検察の罪は重い」と批判しました。
各地のえん罪事件に関わる人たちも発言。「布川事件」で再審無罪が確定している桜井昌司さん(67)は、「自分の時よりどきどきした。うれしい。証拠ねつ造は確かだった。検察は起訴をしたら何があっても犯人とする。こんなこと許してはいけない。これからは日本を正すために一緒に頑張ろう」と呼びかけました。「名張ぶどう酒事件」の支援者もあいさつしました。
弁護団は、拘置の執行停止は、これまでにない初めての判断だと強調しました。
集会後、日本国民救援会静岡県本部の佐野邦司事務局長は、「救援運動をやってきて本当によかった。長年のたたかいのため支援に関わって亡くなった人たちもおり、お墓にも報告したい。みんなで力をあわせて今度は無罪を勝ち取りたい」と話しました。
30年来の支援者の永野順一さん(72)=静岡市葵区=は「再審開始を信じていたが、釈放まで認める立派な決定は涙が出るほど感動的でした。これからまだ支援を継続して頑張りたい」と述べていました。
無罪勝ち取るまで
各団体が声明
国民救援会
日本国民救援会、再審・えん罪事件全国連絡会は27日、袴田事件で静岡地裁が再審開始決定をしたことを受け、「検察は、無実の袴田さんを死刑に陥れたこれまでの捜査と裁判への対応を厳しく反省し、再審開始決定に従い即時抗告をおこなわず、速やかに再審公判に応じることを強く求める」とする声明を発表しました。
市民団体など
静岡地裁が27日、袴田事件で再審開始を決定したことについて、市民団体などから声明が相次ぎました。
「再審開始を求める全国実行委員会」「日本プロボクシング協会袴田巌支援委員会」など市民団体9団体は連名で、「再審の道は開かれた。今後無罪をかちとるまで、袴田さんやご家族と共にたたかう」としています。
死刑えん罪の島田事件で再審無罪になった赤堀政夫さんは「無実の人を死刑にするなど、あってはならないこと」とコメントしました。
静岡県弁護士会(中村光央会長)は「1日でも早く再審無罪の判決を得られるよう、出来る限りの支援をする」という会長声明を発表しました。