2014年3月28日(金)
袴田さん 48年ぶり釈放
証拠ねつ造認定 再審を決定
静岡地裁
強盗殺人罪などで1980年12月に最高裁で死刑が確定した袴田巌さん(78)が34年にわたって裁判のやり直しを求めてきた「袴田事件」第2次再審請求審で、静岡地方裁判所は27日、再審開始を決定しました。 (関連記事)
第2次請求審では、確定判決で犯行時に身に着けていたとされた「5点の着衣」に残されたDNA型が袴田さんとは一致しないという鑑定が弁護側、検察側双方の鑑定人から出されました。
さらに、事件当夜、袴田さんと同じ寮にいた同僚が明確なアリバイを証言していたことを示す捜査報告書などこれまで隠していた多数の証拠を、請求審中に検察側が初めて開示。多くの証拠から、弁護側は「袴田さんの無実は明らかだ」と主張していました。
静岡地裁は、この主張を認め、捜査機関の違法な捜査手法、証拠ねつ造などの行為を厳しく批判したうえ、再審開始を決定。同時に、袴田さんの死刑の執行停止、拘置の執行停止を命じました。
静岡地検は同日、執行停止の効力を止めるよう申し立てましたが、静岡地裁は申し立てを退け、袴田さんは同日午後、逮捕から48年ぶりに釈放されました。
日本弁護士連合会が支援し、日本プロボクシング協会が再審開始を求め署名を行うなど、内外の幅広い支援が広がっていました。
袴田事件 1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件。強盗殺人などの罪で死刑が確定した元プロボクサーの袴田巌さん(事件当時30)が無実を訴え、再審(裁判のやり直し)を請求していました。最初の再審請求が08年に棄却され、同年4月の第2次再審請求が静岡地裁で審理されていました。