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2014年3月26日(水)

原発なくそう 声高く

官邸前行動2年 参加者の思いは

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 29日に2年を迎える首相官邸前抗議行動。「原発なくせ」「再稼働反対」をコールしながら毎週金曜日の夜、定時定点で続いてきました。原発を永久に使い続けるエネルギー基本計画を閣議決定して、夏にも九州電力川内原発(鹿児島県)を再稼働させようともくろむ安倍内閣。参加者は「確信をもって続けたい」と意気込みを語っています。 (取材班)


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(写真)原発なくせ!再稼働反対と抗議する人びと=昨年12月20日、首相官邸前

運動必ず勝つ

 男性(67)=東京都北区=不動産業

 2年間、長いね。でも、ぜんぜん意気消沈してない。ここを訪ねてくれた福島の人の声を聞くと、沈んでる場合じゃないって思うんです。参加したドイツの活動家は「妨害もあったが、40年間頑張って、やっとなくなると決まった」と話してくれた。この運動は必ず勝てますよ。あきらめず、原発をなくそう!

弱者が犠牲に

 男性(38)=東京都豊島区=医療職員

 原発は被ばくする労働者を生まざるを得ない。弱いところに犠牲を押し付けるシステムなんです。そこに一番怒りを感じます。再稼働をとめているのも、選挙で原発問題を争点に押し上げたのも、この運動の圧力があると思います。政府がまた原発を推し進めようとしているいま、この行動があることが支えになっています。確信をもって続けたい。

現実を考えて

 女性=川崎市=会社員

 世論は過半数が原発に反対しています。「危ないけど仕方ない」という人もいるけど、事故が起きたっていう事実、こういう事故が起きてしまうエネルギーなんだという現実を一番に考えてほしい。反原連の人たちの背中を見て、私たちも参加している面がある。仕事の合間に来る人も多いと思うけど、かわりばんこで参加し、原発をとめていきたい。

子の未来守る

 男性(59)=北海道=高等学校用務員

 福島から札幌に避難してきているたくさんの小中学生。「友だちと別れたくなかった。避難してる方も、残る方も両方つらい。そのつらい現実を、おとなたちはきちんと見つめて」と言っています。その思いを、安倍首相はくんでいるのか。東京での毎週の行動にはすごく勇気づけられます。原発をとめ、子どもの未来を守るため、たたかいたい。

首相見に来い

 男性(65)=横浜市=脚本家、妻(58)

 福島の女の子が放射能に被ばくし、「私、結婚できるかな…」と言ったり、子どもを産むことにも不安を感じたりしているのを聞きました。子どもたちに、こんなことを言わせてしまうのが原発です。今の政治は国民を不幸にする政治だ。ここに来るといろんな人がいて、声を限りに叫ぶ姿に、普段にない感動があります。安倍首相も見に来ればいい。

世論の力強く

 女性(51)=沖縄県=主婦

 世論は再稼働反対が多数なのに、自民党が選挙で勝ってしまうというねじれがあるでしょ。電力会社と結びついた政治家、マスコミ、労働組合という社会の構造が大きいと思います。世論の力をもっと強くしたい。沖縄では紆余(うよ)曲折はありますが、米軍基地反対運動を粘り強く続けています。原発反対の運動もあきらめず続けたい。

政府計画は逆

 男性(52)=神奈川県=会社員、妻(46)

 福島の事故も収束していないのに再稼働はありえない。原子力規制委員会が原発の審査で「了」を出しても、政治の力で再稼働させないというのが本来の姿だと思いますが、政府のエネルギー計画は逆ですよね。もっと声をあげないと。国会包囲行動に月1回は参加するのが目標です。これからも頑張ります。

立地県から連帯

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県内全原発を廃炉に 福島

 福島で原発ゼロ金曜行動に参加する熊谷智さん

 2012年6月、政府が大飯原発の再稼働を宣言したとき、原発事故の苦しみを踏みにじられた思いがしました。首相官邸前で多くの人が、再稼働反対のコールを上げたことが支えとなりました。12年7月、官邸前行動に呼応して福島市内で初のサウンドデモに取り組み、8月3日から金曜日行動も始めました。

 幼い3人の子どもがいます。家族と何度も話し合って福島に住み続けることを決めました。事故がなかったかのように、原発を推進する安倍政権とたたかわなくてはいけません。

 県内すべての原発の廃炉など福島の要求を掲げ、全国の運動と連帯して原発ゼロを求めていきます。

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行動への激励広がる 鹿児島・川内

 薩摩川内市「さよなら原発いのちの会」の堀切時子さん

 私たちは2年間、川内原発がある、鹿児島県薩摩川内市の九州電力営業所前で金曜行動を行っています。参加人数が少なく、時々あきらめそうになります。でも、首相官邸前で多くの人が声を上げていることに勇気づけられています。

 政府と九電は川内原発の再稼働を進めようとしています。ありえないことです。市民との対話では「再稼働はやめてほしい」「絶対安全なんてありえない」などの声が多く寄せられています。行動への激励も広がっています。

 川内原発の再稼働を止め、原発をなくすため、地元から元気に声を上げ続けていきます。

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全国から元気もらう 愛媛・伊方

 愛媛「伊方原発とめまっしょい☆若者連合」のアユム☆グリーンレモンさん

 官邸前行動で「伊方を止めろ」と訴える姿を見て、「愛媛だけでなく全国のみなさんがともに声を上げてくれている」ととても元気をもらっています。

 昨年3月に結成した「伊方原発とめまっしょい☆若者連合」は、首都圏反原発連合の「NO NUKES MAGAZINE」の配布、シール投票などに取り組んできました。対話では「原発を止めてほしい」との声の一方で「原発やめても経済は大丈夫なのか」との声も寄せられています。

 雇用や電力はという不安に応えながら、県民の声を大きく広げ、伊方原発の再稼働を止めたい。

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粘り強く声上げたい 新潟・柏崎刈羽

 「なくそう原発・新潟市民ネット」の上野邦雄さん

 新潟市での行動は、21日で79回目を迎えました。政府による大飯原発再稼働表明と、官邸前での抗議行動を見て「連帯して声を上げよう」と始まりました。

 毎週金曜日、官邸前で、多くの若い人たちがドラムのリズムに合わせて「再稼働反対」とラップ調で元気よくコールしている姿は、新潟で活動する私たちにとって大きな励ましです。

 東京電力は柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を狙い、フィルター付きベント(排気)装置の設置などを行っています。

 東電が再稼働をあきらめ、廃炉を決断するまで、新潟からも粘り強く声を上げ、行動を広げていきます。

世論を目に見える形で

安倍内閣に一歩も引かず

 「原発をなくしてほしい」という声は国民の多数を占めています。

 朝日新聞の世論調査(18日付)によれば、原発を「将来は、やめることに」賛成が77%。川内原発の再稼働に対しても59%が反対。共同通信の世論調査(24日付)でも、「再稼働反対」は56・6%にのぼります。

 官邸前行動は、こうした世論を首相と内閣に突きつけ、多くの国民に世論の存在を目に見える形でアピールしてきました。

「再稼働反対」国民多数占め

 首都圏反原発連合(反原連)が官邸前行動を始めたのは、民主党政権時代の2012年3月29日の木曜日。野田佳彦首相が関西電力大飯原発(福井県)の再稼働を決めた6月には、20万人という空前の規模に達しました。

 この年の夏以降、全国各地に金曜日行動が広がり、官邸前と呼応しながら、現在もねばり強く続いています。

 12年12月26日、自民党・公明党を与党とする安倍晋三内閣が誕生。官邸前行動は、原発推進の安倍政権に対して一歩も引かず、持続的に続けられました。

 福島第1原発から出る放射能汚染水が社会問題になった13年夏には、「事故は収束していない」「海を汚すな」「汚染水とめろ」のコールが続きました。原発を永久に使い続けようとするエネルギー基本計画案が示された13年の末からは「エネルギー基本計画を撤回せよ」などの訴えが目立ちます。

 反原連は、「首都圏でデモなどを主催しているグループや個人が力を合わせようと、2011年9月に立ち上げたネットワーク(連絡網)」です。官邸前行動は「だれでも参加できる抗議行動」として始まりました。プラカードを持ち寄り、コールを中心に声をあげ、毎週2時間(冬季は1時間半)の行動を続ける―。これまでデモや集会に行ったことのない人たちにとって、安心して参加できる場、一人でも参加できる場として工夫されてきました。

3グループが共同とりくむ

 安倍内閣になって、数カ月おきに行われる大規模行動として「ノーニュークスデイ」(原発ゼロ統一行動)がおこなわれています。反原連、原発をなくす全国連絡会、さようなら原発1000万人アクションの3グループが東京・霞が関一帯で共同してとりくむ行動です。

 13年6月2日におこなわれた最初の行動では、のべ6万人、2回目の10月13日には、のべ4万人、3回目の3月9日には、のべ3万2000人が参加しました。

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(2012年3月から13年3月までは、13年3月28日付に掲載)


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