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2014年3月24日(月)

国家安保戦略・防衛大綱・中期防

衆院本会議 赤嶺議員の質問

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 3月18日に開かれた、国家安全保障戦略・防衛大綱・中期防に関する衆院本会議質疑で、日本共産党の赤嶺政賢議員が行った質問は以下の通り。


写真

(写真)赤嶺政賢議員

 総理は先日、「憲法解釈の最高責任者は私だ」と述べました。選挙で審判を受ければ、憲法解釈の変更が許されるというのですか。立憲主義の否定そのものではありませんか。

 今回、日本政府として初めて国家安全保障戦略を策定しました。外交・安保政策の基本方針を示す最高位の文書とされていますが、国の最高法規である日本国憲法への言及がないのはなぜですか。

 いわゆる「積極的平和主義」を基本理念に掲げていますが、これは、従来の専守防衛の建前さえ投げ捨てて、集団的自衛権の行使を容認して、海外での武力行使にふみだすためではありませんか。

 戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を定めた憲法9条の下で、他国の戦争に加担する集団的自衛権の行使が認められる余地はありません。解釈の検討を中止することを求めます。

異様な時代逆行

 総理、いま、なぜ集団的自衛権の行使なのですか。

 総理はテロなどを挙げて「脅威は容易に国境を越えてくる」と強調しますが、それならば、まず、アメリカ主導の「テロとのたたかい」が問われなければなりません。

 2001年の9・11テロに対して、アメリカ政府は個別的自衛権を発動し、アフガニスタンに対する軍事攻撃を開始し、タリバン政権を崩壊させました。日本政府は、集団的自衛権を行使したNATO諸国と並んで、インド洋に自衛隊を戦時派遣し、軍事攻撃を行う米軍艦船への給油支援を行いました。

 その後、アメリカは、存在しない大量破壊兵器の脅威を言い募り、国際法違反のイラク戦争にふみきりました。日本政府は、戦地イラクに自衛隊を派遣し、軍事掃討作戦を行う武装米兵を輸送し、無法な戦争と占領に加担したのであります。

 それらがもたらした重大な犠牲と惨害、国連憲章に基づく平和秩序に与えた影響と責任をどう認識しているのですか。

 アメリカのオバマ政権は、2011年にイラクから米軍を撤退させ、今年の年末までにアフガンからの戦闘部隊の撤退を言明しています。自国兵士への犠牲を回避しようと無人機による攻撃を世界各地で繰り返していますが、これにも批判の声が高まっています。

 紛争の平和的解決を求める国内外の世論を背景として、シリアでも、イランでも、問題の外交的解決にかじを切らざるを得ませんでした。

 「積極的平和主義」などと偽りの看板を掲げ、集団的自衛権の行使にひた走る安倍内閣の姿勢は、異様な時代逆行そのものであります。

 日本外交に求められていることは、紛争の平和的解決の流れを推しすすめることです。総理の答弁を求めます。

 そもそも、戦争違法化の流れは、1920年の国際連盟規約、1928年の不戦条約にはじまり、第2次世界大戦をへて、1945年の国連憲章に結実しました。武力の行使と武力による威嚇を禁止し、仮想敵国をつくらない集団安全保障の枠組みに矛盾して、アメリカなどが持ち込んだのが集団的自衛権の規定です。これを根拠として、東西の軍事ブロックが形成され、核軍拡競争が繰り広げられ、米ソによるベトナムやアフガンなどへの軍事介入が繰り返されてきたのであります。

 こうした集団的自衛権行使の現実こそ、問われるべきではありませんか。

 「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している」と言いますが、99年に周辺事態法をつくり、アメリカとともにアジア諸国に軍事的に介入する体制をつくってきたこととの関係をどう説明するのですか。

平和的解決こそ

 大綱・中期防は、米海兵隊のような強襲揚陸能力をもつ水陸機動団をつくり、敵基地攻撃能力の保有を検討するとしています。F35戦闘機やオスプレイ、無人機、ミサイル防衛などを増強し、南西諸島の島々に自衛隊を配備しようとしています。まさに軍拡競争ではありませんか。

 領域内を潜没航行する潜水艦などに対して、グレーゾーンと称して軍事力を行使できるようにしようとしていますが、それが国家間の本格的な武力衝突を招く危険をどう認識しているのですか。

 米中間では、矛盾を抱えながらも、「新しい大国関係」の構築が確認され、中台間では、分断後初の首脳会談に向けた協議がすすめられています。

 いま必要なことは、日中双方が軍事的緊張を高める行動を厳に慎み、問題の平和的解決に徹し、対話のテーブルにつくことです。総理の見解を求めます。

 武器輸出三原則を全面的に撤廃しようとしていますが、これは、1981年の国会決議で確認した「日本国憲法の平和理念である平和国家としての立場」を投げ捨てるものではありませんか。日本を武器輸出国家にかえることは断じて認められません。

 最後に、総理の歴史認識です。侵略戦争と植民地支配への反省という戦後の出発点をあいまいにして、「戦争する国」づくりに突きすすむことは断じて許されません。


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