2014年3月22日(土)
クリミア編入
対ロ経済制裁を拡大
米大統領 「外交的解決の道を」
【ワシントン=洞口昇幸】オバマ米大統領は20日、ロシアによるウクライナへの軍事介入と南部クリミア地方の領土編入に対し、政府高官や関連銀行を新たに制裁対象に追加したと発表しました。またロシア経済の主要分野に制裁を科す新たな大統領令に署名しましたが、ロシアとの外交交渉は続けるとしています。
ロ側も報復
他方ロシアも、米政府や議会の幹部の入国禁止などの報復制裁を発表しました。
米政府が今回新たに制裁対象に指定したのは、イワノフ大統領府長官やナルイシキン下院議長ら政府高官20人と、ロシアでの資産規模17位の銀行「バンク・ロシア」。既存の大統領令に基づいて米国内の資産が凍結され、米国人との取引が禁止になります。
また新大統領令で制裁の対象になるのは、ロシアの金融サービス、エネルギー、資源、防衛、機械などの分野の個人・団体。今後のロシアの行動に応じて制裁対象を指定していくとしています。
ロシア側が制裁対象としているのは、ホワイトハウス高官や米議会首脳で、ローズ米大統領補佐官(戦略広報担当)、リード上院院内総務(民主党)、マケイン上院議員(共和党)、ベイナー下院議長(共和党)が含まれます。
オバマ米大統領は、ホワイトハウスで声明を読み上げ、「ロシアがウクライナ南部と東部へのさらなる侵略に通じる軍の態勢を取っていることを、国際社会は深く懸念している」と指摘しました。
そして、ロシアが事態をさらにエスカレートさせれば、「国際社会で孤立を深めるだけだ」とのべ、国際社会の支持の下でウクライナ政府とともに外交的解決に進む道があるとよびかけました。