2014年3月21日(金)
イラク派兵 輸送人員の半数米兵
集団的自衛権容認で拡大も
参院予算委で仁比氏が批判
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日本共産党の仁比聡平議員は20日の参院予算委員会で、自衛隊のイラク派兵が司法の場でも違憲との判決が下されたと告発し、集団的自衛権行使容認によって「イラク派兵のような活動からさらに踏み込んで、憲法9条にはばかることなくエスカレートする」と批判しました。
2003年12月にイラクに派兵された自衛隊は、04年3月から航空自衛隊による空輸を実施しました。公表されたデータによると、輸送した人員のうち半数以上が米兵であり、輸送貨物の約7割が軍需物資でした。(表)
仁比氏は、08年のイラク派兵訴訟名古屋高裁判決でも、空自による輸送活動は「他国の武力行使と一体化した行動」であって、憲法9条1項に反するとの違憲判断を下されていると強調しました。
安倍晋三首相は、イラクでの自衛隊による空輸活動は「憲法の範囲内における協力だ」と強弁。名古屋高裁判決について「空自の空輸活動が違憲であると判じた部分は、判決の結論を導くのにまったく必要のない傍論だ」「政府は(イラク派兵が憲法に反するかどうかについて)主張・立証はしていない」と答えました。
仁比氏は「名古屋高裁の判決はその結論につながっていく事実認定と、そこへの法の適用という当然の論理であり傍論ではない」と指摘。「政府が裁判で主張・立証しなかったのは、裁判上も隠したということだ」と反論しました。
「イラクでの武装米兵の輸送を正当化し、こうした活動をこれからもやるのか。集団的自衛権の行使容認によって、もっと踏み込んでやるのではないか」と追及した仁比氏。安倍首相は「安保法制懇の結論を待ち、議論を進めていく」と繰り返し、これを否定しませんでした。
仁比氏は「軍隊と武力行使を明確に禁じるのが憲法9条だ。集団的自衛権の行使容認は、立憲主義と戦後日本の議会政治を否定するものに他ならない。そんな検討はやめよ」と求めました。
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