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2014年3月19日(水)

原始重力波の痕跡

宇宙誕生時の急速膨張裏付け

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 自然科学研究機構の佐藤勝彦機構長たちが理論的に予測していた宇宙誕生時の急激な膨張「インフレーション」が実際に起こっていたことを示す証拠をとらえたと、米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターが17日、発表しました。南極に設置された電波望遠鏡「BICEP2」による観測成果です。

 約138億年前の宇宙誕生初期の「ビッグバン」を引き起こした原因は何か―。佐藤機構長たちが提唱した、ごく短時間の急激な加速膨張(インフレーション)で蓄えられたエネルギーだという理論が有力視されてきましたが、これまで観測的証拠はありませんでした。

 インフレーションを裏づける証拠となるのが、時空が振動してできる「原始重力波」です。原始重力波の影響で、ビッグバンの“残光”として宇宙に満ちている「宇宙マイクロ波背景放射」に特殊な渦状パターン(Bモード偏光)が現れると予想されています。

 BICEP2は、温度が低く乾燥した南極で、微弱な宇宙マイクロ波背景放射を観測。3年以上かけて分析した結果、初めて原始重力波の痕跡をとらえました。観測チームは、当初理論で予想されたより強い信号が得られたと驚いています。


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