2014年3月18日(火)
集団的自衛権・解釈改憲 自民・慎重論噴出 総務懇談会
間違った戦争に加担して誰が責任を取るのか
自民党は17日、国会内で総務懇談会を開き、安倍晋三首相が強硬姿勢を強める集団的自衛権の行使容認について議論し、出席者からは「党内論議なくして閣議決定に至ってはいけない」という慎重論が相次ぎました。
野田聖子総務会長は終了後の記者会見で、「全ての意見に共通して出たのは国民の理解を得られるような丁寧な議論をすべきだということ。今なぜ集団的自衛権が必要かという意見も出たし、解釈改憲に賛成という意見の中でも、厳しい条件が必要だという意見も出た」と報告。今後、安倍総裁がイニシアチブを取り全議員が参加する場で議論を進める一方、要望があれば随時、総務懇談会を開くとしました。
村上誠一郎元行革担当相は終了後、記者団に対し、「憲法改正しないで憲法の根本を変えるのは立憲主義から考えて禁じ手だ。集団的自衛権を認めれば、アメリカの求めで世界中に出て行くことになる。イラク戦争のように間違った情報に基づく戦争に加担して誰が責任を取るのか」と解釈改憲論を厳しく批判しました。
また、同党憲法改正推進本部長の船田元衆院議員は記者団に、「憲法解釈の変更で容認するか、正式の憲法改正手続きを必要とするかについては二分された」と報告。「本来憲法改正をするべきだが、時間がかかるので解釈変更もやむをえないが、無限定な地球の裏側まで行くような集団的自衛権の容認は認められない。地理的限定が必要ではないか」と述べました。
非公式会合である総務懇談会が開かれるのは9年ぶり。政府主導で解釈改憲が推進されることに慎重な意見が党内から噴出し始めていることから、党内協議の場として開催が決められました。