2014年3月18日(火)
クリミア ロシア編入を決議
ウクライナと欧米が批判
【パリ=浅田信幸】ウクライナ南部クリミア自治共和国で16日に実施された、ロシア編入の是非を問う住民投票で、選管は17日、開票率100%の集計結果を発表し、賛成票が96・77%にのぼったことを明らかにしました。投票率は82・71%でした。
この結果を受け、自治共和国議会は同日、独立の決議とロシアへの編入を要請する決議をそれぞれ採択。また、領内にあるウクライナの国家資産をクリミアが「国有化」すると宣言しました。
同日、ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は最高会議(議会)で演説し、「ロシアはクリミア侵略を住民投票と名付けた茶番で隠そうとしている」と主張。「(結果を)ウクライナや国際社会が承認することは決してない」と語気を強めました。
欧米諸国も、「ウクライナ憲法と国際法に違反する」と改めて批判し、クリミアを実効支配するロシアに対し、直ちに制裁を科す姿勢を明らかにしました。
自治共和国のアクショノフ首相によると、同議会は17日、ロシアに正式に「編入」を申請し、同時にロシアに議会代表団を派遣。週内にもロシア連邦議会で同申請の審議が予定されています。
またロシア中央銀行はクリミアの通貨をロシアのルーブルに切り替えるための作業を行っており、財務省は30億ルーブル(約83億円)の援助を約束したと伝えられています。
自治共和国と同時にセバストポリ特別市でも住民投票が実施され、編入が承認されました。