2014年3月17日(月)
横浜カジノ 市長独走
予算案に1000万円・誘致チームも
反対運動広がる
横浜市でいま、刑法が禁じる賭博場・カジノを市内に誘致しようとする動きが急展開しています。林文子市長が主導するもので、市民の間に警戒感が広がっています。
(竹腰将弘)
|
きっかけは林市長が1月9日、市役所で行った年頭記者会見。
林市長は、海外のカジノの事例をあげて「メリットは大変大きな税収効果と経済効果がでている」とし、「臨海部の観光都市としての魅力を増すために新しくつくっていく計画はカジノを含めないと、とても成立しない」と踏み込みました。
さらに1月31日開会の市議会に1000万円のカジノ関連調査費を含む予算案を提案。庁内を横断するカジノ誘致のプロジェクトチームを新年度から立ち上げる考えを示しました。
同市では、商工会議所など地元経済界にも、カジノ誘致を求める目立った主張や運動はなく、カジノについて市民的な議論が行われたこともありません。
市は過去4年間、毎年100万円、計400万円のカジノ関連調査費を支出してきました。今回、ほぼ市長の独走で、カジノ誘致関連事業に金も人も投入し、本格的な実動段階に入ろうとしています。
「国の下請け」
こうした動きについて、日本共産党の大貫憲夫市議は2月21日の予算代表質問で「安倍政権の『成長戦略』の横浜版で、国の下請け予算案。地方自治の本旨に反する」と追及。林市長は「(国が)経済成長戦略をやっていくのと一緒に相乗効果をねらわなければ難しい」と安倍政権との協調姿勢を打ち出しました。
「1期目は民主党の推薦を受けて当選した林氏だが、昨年8月の再選後は自民党に深く取り込まれている」と話すのは平和・民主・革新の日本をめざす神奈川の会(神奈川革新懇)事務局長の土屋啓五さん(70)。「市民になにも知らせないで、安倍政権が積極的だからといって、カジノというギャンブル志向の政策までそのまま横浜に持ち込むのは許せない」といいます。
あおる自民党
10日の市議会予算特別委員会では、カジノ問題をめぐり、自民党の黒川勝市議が「施設インフラの整備や誘致に積極的に取り組むべきだ」と市長を後押し。民主党の石渡由紀夫市議はカジノ推進の立場を表明しながら「結論を急ぐな」とも求める中途半端な態度をとりました。
日本共産党の大貫市議は「環境、まちづくり、ギャンブル依存症など問題の多いカジノ誘致はやめよ」と主張しました。
市長主導のカジノ誘致の動きに対し、県内の新日本婦人の会と神奈川革新懇が共同で、県内各地での学習会を予定するなど、市民の側からの反撃も始まっています。