2014年3月15日(土)
逆に患者切り捨て
水俣病認定新指針 市田氏が批判
参院環境委
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日本共産党の市田忠義副委員長は13日の参院環境委員会で、水俣病認定基準の新たな運用指針について「認定の枠を広げるようなポーズをとりながら、逆に患者を切り捨てる内容になっている」と批判しました。
新指針では、手足の感覚障害のみでも水俣病患者と認める場合、「できるだけ客観的資料による裏付けが必要だ」として、患者側に発症当時の毛髪やへその緒などの提出を求めており、申請のハードルを上げて認定患者を狭める中身になっています。
石原伸晃環境相は「行政を預かる立場としては当然のこと」と正当化しました。これに対して市田氏は「加害者が勝手に厳しい認定基準を決め、被害者に証拠の提出を求めるなど本末転倒だ」と批判しました。
また市田氏は、「1969年以降は水俣病が発生するほどの水銀汚染はない」とする答申を踏まえ、69年12月以降に生まれた人を政府が申請の対象から除外していることを指摘。70年以降に生まれて水俣病と同じ症状を抱えた人が数十人いるという実態を示し、出生年の規定を「見直すべきだ」と主張しました。
通知の留意事項で過去の審査結果を「再審査する必要はない」と明記していることについて市田氏は、これまで感覚障害のみの申請者を認定した例がほとんどないことを指摘し、「総合的検討というなら再審査は当然だ」と述べました。
市田氏は「加害者はチッソと国、県だ。被害者には全く責任がない」と強調し、出生年や地域などで線引きする政府のやり方を重ねて批判しました。