2014年3月13日(木)
クリミア「独立宣言」ドイツ首相が非難
ロシアによる「併合」
【パリ=浅田信幸】ウクライナ南部クリミア自治共和国議会が一方的な「独立宣言」を決議し、ロシア編入への既成事実化が進む事態に対し、メルケル独首相は11日、ロシアによるクリミアの「併合」「かすめ取り」だと非難しました。
メルケル氏は自党のキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)の議員集会で発言し、「クリミアの事態が併合に近づきつつある。ロシアにそうすることを許してはならない」と述べました。
メルケル氏は、ロシアとの対話に最も熱心で、対ロ制裁には慎重な立場をとり続けており、かつて旧ソ連に併合されたバルト3国などから、もっと強い姿勢を求める声があがっていました。外交的解決をめざす米ロの協議も進展しない中で、シュタインマイヤー独外相は「(対話路線は)成功していない。時間は尽きつつある」と述べ、「ロシアの行動に見るべき変化がなければ、次の段階の制裁を論議する」との意向を明らかにしました。
欧州連合(EU)は6日の緊急首脳会議で3段階の制裁措置を確認。第1段階は旅行ビザ自由化交渉の停止など、第2段階は特定の要人と企業に対する旅行ビザの規制、資産凍結、EU・ロシア首脳会議の中止などに踏み込みます。17日のEU外相会議で決定される見通し。
一方、EUはウクライナ政府への財政支援を加速させる構えです。すでに発表した110億ユーロ(約1兆5000億円)の融資や供与による支援に加え、11日には新たにウクライナからの輸入関税について、年5億ユーロ程度の大幅引き下げを実施する意向を表明しました。