2014年3月12日(水)
ブラック企業 長時間労働の手口追及
吉良氏に厚労相「調べる」
参院予算委
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日本共産党の吉良よし子議員は11日の参院予算委員会で、ブラック企業が長時間労働を強いる手口としている「固定残業代制」の問題を取り上げ、全国的な調査を求めるとともに、残業時間に上限規制がない労働基準法の改正を主張しました。
問題になっている固定残業代制は、まともな月給に見せかけ、月80時間など長時間残業をこなさなければ最低賃金なみの基本給しか支払わない悪質な仕組み(図)。東京都内では昨年、固定残業代制に関わる割増賃金の支払い違反で250の事業所が東京労働局から是正勧告されました。
吉良氏は「低賃金でがまんをするか、無理をして過労死やメンタルの失調などに追い込まれている」と実態を告発し、全国調査を要求。田村憲久厚労相は「全国的に調べたい」と約束しました。
さらに吉良氏は、労働者を募集する際に▽基本給と残業代を分ける▽固定残業代制をとっていることを明示する義務付けなどを提案。民間の求人業界にも行うよう求めたのに対し、田村厚労相は「紛らわしい書き方があれば監督指導したい」と答えました。
固定残業代制をとる大手居酒屋「大庄日本海庄や」の過労死事件では、月80時間の固定残業に加え、月100時間の残業を6カ月させるという労使協定がありました。同事件での2010年の京都地裁判決(昨年9月に最高裁で確定)は「(過労死基準からして)一見して不合理」と明確な判断を下しました。
「過労死基準(月80時間)を超える時間外労働の協定を是認するのか」と追及した吉良氏に対し、田村厚労相は労働基準法違反でない限り問題視しない考えを表明。吉良氏は、労基法を見直し、残業時間の上限を法制化することが必要だとして、過労死基準の月80時間以上の残業禁止、年間の総残業時間の上限を360時間にする具体策を提示しました。
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