2014年3月11日(火)
国境越え 原発反対
仏 8000人「人間の鎖」
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福島から訴えも
【パリ=浅田信幸】東京電力福島第1原子力発電所事故から3周年を2日後に控え、仏東部のストラスブールを中心とするアルザス地方で9日、国境を越えた「原発反対」の「人間の鎖」が取り組まれました。主催者発表で計8000人が参加。原発の危険を訴えて欧州を訪問中の福島県富岡町の松村直登(なおと)さん(54)も加わりました。
フランスやドイツなどの多くの反核組織や環境団体が呼びかけた行動で、参加者たちは仏東部のストラスブールから、仏原発のあるフェッセンハイムを経て、スイス国境まで、ライン川にかかる八つの橋で国境を越えた「人間の鎖」をつなぎました。
ストラスブールとドイツのケールをつなぐ「ヨーロッパ橋」ではダイインがおこなわれました。
要求として打ち出されたのは、フランスで最初に稼働したフェッセンハイム原発の「即時閉鎖」と原子力エネルギーからの脱却。同原発は断層の上に建設されているとされ、オランド政権は2016年の閉鎖を公約にしていますが、現実に閉鎖手続きは進行していません。
反原発組織「ストップ・フェッセンハイム」のアンドレ・アツ代表は「事故はいつでも起こりうるのだ」と声を張り上げ、同原発の速やかな閉鎖を求めました。
一方、原発事故後に指定された警戒区域に残った松村さんは、仏国営テレビ「フランス3」の取材に、「仏電力公社(EDF)は仏原発が最高の質の技術に支えられていると評価していると思うが、東京電力も同じだった。次の原発事故は日本でかもしれないし、フランスでかもしれない」と語りました。