2014年3月5日(水)
道徳教科化 議論始まる
中教審 “入試に活用”の意見も
文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会と教育課程部会は4日、合同会議を開き、安倍内閣が打ち出した「道徳の教科化」の具体的方針について議論を開始しました。道徳教育の目標、内容、指導方法、評価について道徳教育専門部会で議論していくことになりました。
道徳は、戦前の軍国主義教育の反省から、特定の教科ではなく教育活動全体を通して行うこととされてきました。その後文科省によって「道徳の時間」が設けられましたが、教科ではなく、年間35時間実施し、数値などによる評価も行わないことになっています。
特定の教科書も長らくなく、2002年から文科省作成の「心のノート」が配布されていますがあくまで補助教材です。
議論では、道徳の評価について「先生の記述評価を入試選抜の重要な指針にすべきだ」(北城恪太郎国際基督教大学理事長)と入試にまで活用する意見が出されました。
「心のノート」を2月に改訂した「私たちの道徳」については、支持する意見の一方で、「教科書で望ましい像を示すのではなく、子どもの実際の葛藤や問題対処を大事にすべきだ」(秋田喜代美東大学院教育学研究科教授)との意見も出されました。