2014年3月3日(月)
ロシア軍事介入決定
欧州反発「ウクライナの主権尊重を」
【パリ=浅田信幸】ロシアがウクライナへの軍事介入を決定したことに、欧州各国では反発とともに実際の介入を阻止するため「主権と領土の一体性(領土保全)」の尊重を求める声がいっせいにあがっています。
ヘイグ英外相は1日、「ウクライナ政府の意思に反し、同国内での軍事行動を容認するロシア議会の決定は、ウクライナの主権と独立、領土保全に対する重大な脅威」であり、「ウクライナに対するあらゆる侵略行動を非難する」と声明。駐英ロシア大使を呼び、「強い懸念」を伝えました。
オランド仏大統領も、ロシアの決定が「領土保全と主権に対する現実的な脅威だ」とし、「外部からの介入と著しく危険な混乱拡大を阻止するためにあらゆることをすべきだ」と訴えました。
シュタインマイヤー独外相は、ウクライナ南部クリミア自治共和国の情勢が「きわめて悪化」していることに懸念を示し、クリミアでのロシア軍の行動について「ウクライナの主権、領土保全と、ロシア黒海艦隊に関する諸条約とに、全面的に調和するものでなくてはならない」と警告。
ポーランドのトゥスク首相は、「欧州も世界も侵略・侵攻の行為を許さないという明確な合図を送る必要がある」と強調しました。
欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は「ウクライナの統一、主権、領土保全は常に、誰からも尊重されなければならない。これらの原則に対するいかなる侵害も受け入れられない。自制と責任感が、かつてなく必要だ」との声明を発表。3日にEUの緊急外相会議を招集したことを明らかにしました。