2014年3月1日(土)
防衛省、報道に圧力
沖縄・石垣島陸自配備問題 市長選の対策
小野寺五典防衛相は2月28日の記者会見で、沖縄・石垣島への陸上自衛隊配備をめぐり、日本新聞協会と地元紙に抗議文を提出したことを明らかにしました。2日投票の石垣市長選で陸自配備が重大争点になっており、これを打ち消すための露骨な圧力です。
小野寺氏は会見で、「事実とは違う内容だった」とした上で、「時期的に石垣市の地方選挙があるタイミングでもあったので、間違った報道が選挙に影響を及ぼすのは適当ではない」と指摘。同市長選に絡んだ措置だったことを認めました。
琉球新報が2月23日付で「陸自、石垣に2候補地」との記事を掲載したことを受けて、地元では配備拒否を求める声が相次ぎました。中山義隆市長を推す自民党は、「そのようなことは絶対にない」(石破茂幹事長、25日)などと火消しに躍起になっています。
ただ、防衛省が2月24日付で、黒江哲郎官房長名で送付した申し入れ文は、石垣島を含む南西地域への陸自配備について、「沖縄県の先島諸島及び鹿児島県の奄美諸島の有人島を中心に調査業務に着手している」と述べており、検討自体は否定していません。その上で、「候補地を特定し最終調整に入ったという事実はありません」としています。
琉球新報は28日午後、23日付報道は「十分な取材に基づいた報道であり、訂正の求めには応じられない」との見解を表明。記事の内容は「石垣市長選に関連づけておらず、特定の候補を利するものではない」と反論しています。